黒い「むし歯予備軍」について
40代女性
※添付画像は投稿者ご本人と医師のみ参照可能です
先日、歯科にメンテナンスにいったら下の歯の左奥6と5の間の6番舌側に黒い点(若干の凹みあり)が発見されました。
歯科衛生士さんは「むし歯予備軍」といっていました。
私は食生活をすごく気をつけていて(飲食は5回/日以内、食事の間隔は2時間以上あけている、遊離糖の摂取少なめになど)、歯磨きもイエテボリ法を実行しています。
歯科のメンテナンスも基本的に4ヶ月毎に行っているのですが…
今回黒い点ができていてとてもショックを受けています。
レントゲンでは特に問題ないような感じのことを言われていますが、果たして…
質問は
1: 食生活も口腔ケアも比較的厳しく頑張っているつもりなのに、なぜ黒いむし歯(むし歯予備軍)ができたのでしょうか
想像できる原因などありますか
2: むし歯予備軍はC0のことを指すのでしょうか?(むし歯予備軍かむし歯かの判断は医院の方針次第で変わってくるものなのでしょうか?)
3:黒いむし歯は進行がゆっくりなので経過観察、白いむし歯は気をつけないといけない(脱灰の進行が速い)的なかんじでしょうか
4:とにかくショックが大きくて凹んでいます。自暴自棄にならずに引き続きフッ化物を使っての虫歯予防をしていくしかないですよね…
励ましのお言葉をいただけますでしょうか
よろしくお願いします
画像はピンぼけですが参考までに添付いたします
回答済み
ご質問ありがとうございます。
気をつけていたのに、むし歯になったと思うと、ショックですよね。
診断行為は出来ませんので、現在のお口の中の状態についてコメントは出来ませんが、励ましの意味を込めて疑問に出来るだけお答え出来たらと思います。
まず大大大前提ですが、御存知の通り「むし歯予備軍」は診断名ではありません。なので、「むし歯予備軍」が何を指しているのかは、さっぱり分かりません。また、歯科衛生士が診断することはないので、歯科医師が診断する必要があります。
これは良し悪しだと思いますが、伝わりやすさを重視して、正確な診断名を伝えないことも往々にしてありますが、「むし歯予備軍」という表現になってしまうと、かえって混乱することもありますよね。
今回で言えば、C0なのかC1なのか、はたまたもっと前の段階で色素沈着が起こっているからリスクが高いと判断したのか、分かりません。
例えば着色であれば、どんなにむし歯予防や歯周病予防の歯ブラシを気をつけていても、着色する時はします。
現在むし歯はC0、C1という分類の仕方もしますが、ICDASというむし歯審査システムが推奨されています。それによるとむし歯はコード0~6の7段階に分かれて評価されます。(※1、写真付きですので是非リンク先見てみて下さい。9ページです。)
C0やC1の分類はもともと「むし歯は自然治癒することがないので、早期発見→早期治療が重要」という考え方が根底にあるので、”C1=要治療”、”C0=要観察”と考えていました。
しかしながら、C1の中には、う蝕の進行が停止したものや着色に過ぎない健全歯がたくさんあることを前提に、不用意に”疾患”としない事を目指してICDASが作られています。
ICDASではC0も細かく分類し、必要であれば”積極的な治療”をすることも意図されていますが、この”治療”は削ったり、詰めたりすることではなく、”再石灰化”を目指しているものです。
ですので、大事なのは、「むし歯予備軍だから〇〇してくださいね」の部分かと思います。
少なくとも、削るような治療は必要なかったということは、一安心してもよいと思いますし、
「〇〇してくださいね」を大事にすることが重要だと思います。
もし可能であれば、次の機会には、その歯の状態・診断名を詳しく聞いて、対処方法もセットで”相談”出来ると一番いいですよね。
どんなに気をつけていても、むし歯になってしまうこともあると思いますが、そういう場合は特に、個別の評価や対応が重要だと思います。
質問者さんの努力が無駄だったなんてことはありません。気を落とさず、むし歯予防・歯周病予防に取り組んでいただければと思います。
※1:https://www.fdiworlddental.org/sites/default/files/2020-11/2017-fdi_cpp-ex_summ_wpaper-en.pdf
2023年10月19日 11時41分
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