鎖骨上のしこりについて

20代女性

コロナワクチン1回目を接種した2週間後頃から、接種した側の鎖骨上にしこりができました。
手で押すと動く、2cm弱のしこりです。

かかりつけの皮膚科を受診し、超音波?のようなもので診察を受けました。

・コロナワクチン接種後、リンパ節が腫れてしまっているのかもしれない
・大きくならなければ問題ない
・切除する手術をしても良いが、目立つ部分に傷が残ることになる
とのことでその後は特に受診していません。

2年以上たった今でもまだ大きくも小さくもならずしこりがあります。
先日コロナワクチンをまた接種しましたが、なんとなく腕を大きく動かした際にしこりを感じるような気がします。
大きくなっていないので問題ないとは思いつつ、心配なのでもう一度受診しようと思っているのですが、受診するのはかかりつけの皮膚科で良いのでしょうか。

毎回コロナワクチン接種後には接種部位の痛みに加え、脇のリンパ節の腫れ、発熱と倦怠感などの症状が丸2日間ほど続くので、ワクチン接種との関係を疑ったほうがいいのか悩んでいます。
宜しくお願い致します。

質問いただきありがとうございます。耳鼻咽喉科専門医の音良林太郎と申します。ワクチン接種後に鎖骨上にしこりを自覚され、その後小さくならずに残っているということですね。診察をしないと言えないこともありますが、一度総合病院の耳鼻咽喉科での精査が望ましいようにも思いました。


まず、ワクチン接種後に鎖骨上リンパ節や腋窩リンパ節の腫脹がおこることは、多くはないですが副反応の一つとして知られています。ワクチンは接種されることで免疫系を活性化し、抗体の産生を促します。この抗体が作られる場所がリンパ節ですので、ワクチン接種後にリンパ節が腫れることは正常な免疫反応の一部と言えるでしょう。


リンパ節自体は健常人にも存在する組織ですから、リンパ節を触知すること自体は異常ではなく、そのまま様子を見て良い可と思います。


問題はサイズと診断で、2cmというのが正しいとすると、かなり大きいサイズに思われます。ただし、皮膚の上から皮下腫瘤のサイズを触知するという手技はかなり習熟を要しますので、2cm弱というのは正確に計測できていない可能性があります。また、その腫れた部分が本当にリンパ節であるかどうかにも検討の余地があるように感じます。


リンパ節腫脹を疑った場合にまず行うのは超音波検査です。超音波ではリンパ節のサイズ、形態、正常を評価することができます。制度の高い超音波検査によって「普通のリンパ節か」、「異常なリンパ節か」というのをある程度判別することができます。加えて総合病院クラスの耳鼻咽喉科では穿刺吸引細胞診といって、針で中身を吸って細胞を検査することで診断に近づくことができます。この方法であれば診断するまでのプロセスに切開は必要ありません。また、総合病院であればCT検査やMRI検査などを追加する事ができます。


相談者様のケースですと、一度皮膚科で検査を受けているということですので、もう一度超音波検査を行い、しこりの評価を受けるのがよろしいかと思います。その上で、しこりが引かないことを相談してはいかがでしょうか。先生の判断により、大きい病院への紹介となる可能性もあるかと思います。


以上回答させていただきます。この回答がお役に立てば幸いです。また何かありましたらお気軽に質問ください。

おとらりんたろう先生、お礼が大変遅くなり申し訳ありません。
幸い耳鼻咽喉科、皮膚科ともにかかりつけの先生がおりますので、相談してみようと思います。
近隣に大きい病院があるので、精密検査についても併せて聞いてみます。
ご回答ありがとうございました。

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2023年10月11日 10時12分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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