詰め物・被せ物のやり直し
40代男性
お世話になります。
定期健診を行ってもらっている歯医者さんに、「一部過去に治療した箇所に小さい虫歯ができています。一度、全ての詰め物・被せ物をやり直しましょう」と言われました。
現在地に引っ越してきて2年ほどで、こちらの歯医者さんに治療してもらった箇所は1つも有りません。
ネットを見ますと、「過去の治療で詰め物・被せ物をした箇所で再度虫歯になることが多い(二次虫歯)」という記事は多いので、やるべきなのかと思ったのですが、ネットで「詰め物・被せ物をやり直しましょう」と言っている記事・書き込みや、「詰め物・被せ物をやり直した」というような書き込みは全然見当たらず、迷っています。
自分の詰め物・被せ物は銀歯が多いです。
自分は今まで他の歯医者で一度も言われたことが有りませんでした。
一度、全部、二次虫歯がないかチェックしてもらうのも良いのかも、とも思っています。
質問です。
歯科医では、虫歯のない歯も「(全ての)詰め物・被せ物をやり直す」という治療はよくあることなのでしょうか。
また、虫歯のない歯の「詰め物・被せ物をやり直す」という治療で何かリスクはあるでしょうか。
よろしくお願い致します。
回答済み
ご質問ありがとうございます。
よくあるかどうかは分かりませんが、基本的に私はしないです。
”基本的に”という理由は後ほど説明します。
まず、最初に
「詰め物・被せ物を外してみた結果、むし歯がなかったら、自費になるのか?」
という確認はした方が良いように思います。
現行の保険制度ですと、むし歯などの”病名”が必要で、その治療のために保険が使えるという事になっています。ということは、むし歯などの問題が全くない歯の治療を行うことは出来ない認識です。
先程”基本的に”と言ったのは、「詰め物や被せ物の見た目をきれいにしたい」というような要望があれば、自費になりますが、やり変えすることはあります。
さて、2つ目の質問のリスクについてですが、やり替えには当然リスクがあります。
1つ目のリスクは、健全な歯を削ってしまうリスクです。必ずしも削るというわけではないですが、例えば、古いプラスチックを外して、新しいプラスチックを歯に接着しようと思うと、きれいな歯の面に接着する必要があります。そのきれいな歯の面を出すために、表面を薄くですが削る必要もあったりします。
2つ目のリスクは、そのような削る刺激、詰め物だけを削っていたとしても熱などが発生するので、その刺激で歯の神経にダメージがかかる場合もあり、場合によっては歯の神経(歯の根)の治療が必要になったりします。
3つ目のリスクは、治療結果が前の状態よりも悪くなる可能性です。私はこのリスクが最も心配なところです。何も悪くなっていなかったら、その歯の治療はうまくいっている可能性が高いわけですが、それを取って、新しい詰め物や被せ物にすると、次の詰め物や被せ物がうまくいかない可能性もあります。治療の結果は治療してすぐ分かるものもありますが、多くの場合は、時間が経過してからその歯の治療がうまくいっているかどうかが分かります。”5年予後”とか”10年予後”とかって私達は言います。
4つ目のリスクは、これは私達歯科医師の方が感覚が麻痺しているかも知れませんが、そもそもそのような歯の治療は外科治療のようなものです。高速に回転する器具を口の中に入れたり、麻酔をしたりと、常に一定のリスクがあります。この事は、患者サイドとして意識しすぎなくても良いですが、頭の片隅に置いておかれたほうが良いと思います。
治療には”納得”が必要だと思いますので、もしやりかえを希望される場合は、よく担当の先生にもリスクなどの話を聞いて、しっかり”納得”してから治療を受けるようにされるのが重要だと思います。
なにかの参考になれば、幸いです。
2023年10月26日 09時43分
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