指名:Tatsu Ogawa*生殖医 先生

移植について

20代女性

移植5回目で現在判定日まちです。
早いとは分かりつつBT7でフライングをしてしまい陰性だったため落ち込んでいます。。今回のことでいくつか質問があります…

移植周期で排卵確認のためにd15で受診しました。

d15の血液検査 プロゲステロン 19.82、LH 20.46、E2 42.35でした。
担当医師からは採血結果でd13ごろで排卵してるかも?エコーで確認しましょうと言われてエコーしました。
しかし卵胞がまだあり「この間どっちに卵胞あったとか覚えてないよね?」と言われてもしかしたら2つあったのか?という疑惑があります。
d2でエコーした時は2つあるって言われなかった気がします(採卵後だったので腫れてるねとは言われました)

また基礎体温はd13まで36.36度、d14が36.50度、d15が36.57度でした。

排卵日がよく分からず先生も悩まれていましたがd18に移植しました。(ウトロゲスタンはd15から始めました)

・2個排卵する場合は、1個目から何日もずれて2個目が排卵することがあるのでしょうか?

・E2が低い気がしますがエストラーナテープなど貼っていません(d15しか採血してません)内膜もd15で6.1mm 移植日は5.7mmで薄いと思いますが先生は「あんまり気にしなくていい」と言いましたがそうでしょうか…?前回陽性になった時は9.1mmあったので…

・排卵日がよく分からない場合 先生はどうやって移植日を決定しますか?

聞きたいことが多くすみません…

回答済み

産婦人科

ご指名、ご質問、ありがとうございます。

凍結融解胚移植周期での疑問ですね。現場の判断に言及することはできませんので、挙げていただいた疑問点を一般論的に回答させていただきます。


Q①

2個排卵する場合は、1個目から何日もずれて2個目が排卵することがあるのでしょうか?


自然周期であれば通常は1個のみの排卵となりますよね。もちろん自然妊娠でも二卵性はありうるので、必ずしもそうではありませんが。発育速度に差があり十分大きければ、一方が排卵後に一方が残っていないとは限らないと思います。あるいは卵胞と思いつつ黄体嚢胞だったり…考え出したらキリがありませんね。いろんな状況が考えられます。

レトロゾール周期であれば、クロミッドほどではありませんが2個以上育つ可能性は自然周期より高くなります。こちらの方が流れとしてはしっくりきますが、書かれていないので自然周期なんですよねきっと。


Q②

E2が低い気がしますがエストラーナテープなど貼っていません(d15しか採血してません)内膜もd15で6.1mm 移植日は5.7mmで薄いと思いますが先生は「あんまり気にしなくていい」と言いましたがそうでしょうか…?前回陽性になった時は9.1mmあったので…


排卵後間もない時期は、一時的にE2は低下します。それが二桁前半まで下がってしまう人もいれば、100は保たれる人もいます。

E2 42、P4 19、LH 20だと、まだLHがそれなりにあるので、排卵して何日も経ってはいない時期のバランスとして妥当かと思います。

移植できるか決定するのは排卵頃が多いと思いますが、その時の子宮内膜厚は「基本的に7mm以上」としている施設が多いのではないかと思います。私の現在所属している施設では、理想は9mm以上、8mmで十分、7mmあれば一応OK、としています。でもそんなに厚くならない方もいますし、6mmあればある程度妊娠率は担保できるような報告もあります。6mmなくても妊娠するときはします。また、排卵後に子宮内膜がキュッとして薄く見える(コンパクション)現象もあります。

普段はもっと厚いのに、という場合は、卵胞が小さいうちに排卵してしまったとか、排卵誘発剤を用いている時にも起きます。クロミッドが内膜を薄くするのは有名です。レトロゾールでは、薬剤によりE2が低いためなのかギリギリまで内膜が厚くならないことがあり、排卵直前の1-2日で一気に厚くなることをよく経験しています。


Q③

排卵日がよく分からない場合 先生はどうやって移植日を決定しますか?


ホルモン値や基礎体温などから想定できる場合には、その想定日の5日後に移植します。

○日か○+1日に排卵したと考えられる、という場合には、○+5日に胚移植しています。その二日間で妊娠率は低下しないという院内データを出しているためです。

本気でわからない場合は、その周期での胚移植は中止します。良好胚を得るのは大変なことですから、闇雲に移植日は決めず、翌週期に改めます。


少しでもお役に立てれば幸いです。

ちなみにBT7で陰性でも、BT9でhCGが50程度あると、かなり確率は低いですが出産にたどり着く方も稀にいます。

良い結果につながることを祈っております。

3

2024年02月24日 18時27分


参考になりましたか?
ハートを贈りTatsu Ogawa*生殖医先生を
サポートしよう!

産婦人科、専門は生殖医療です。日常の診療では主に、一般不妊治療、生殖補助医療、不育症、がん生殖医療、PGTを含めた遺伝カウンセリングを取り扱っています。1人でも多くの方のサポートができれば幸いです。

相談一覧