採卵の刺激方法について
20代女性
いつも拝見しています!
今まで採卵4回してきました。
採卵1回目は旦那の精索静脈瘤手術前であり、精子所見が悪く顕微鏡一択でした。アンタゴニスト法で卵子は15個取れうち4個胚盤胞になり凍結しました(1つ妊娠しましたが流産になりました、他は着床してません)
精索静脈瘤の手術を行い、術後4ヶ月後に採卵2回目をしました。アンタゴニスト法で卵子は9個取れました。受精はスプリット法で行い、顕微鏡2つ、ふりかけ1つ胚盤胞になりました(全部着床しませんでした)
採卵3回目もアンタゴニスト法で行い、卵子は7個とれました。精子所見が良かったため全部ふりかけ法で試みましたが、受精するも3日目以降全滅しました。
採卵4回目もアンタゴニストで行い、卵子は22個取れました。前回ふりかけで全滅したのでスプリット法をお願いしたものの2日目以降全滅しました…
次はアンタゴニストじゃない刺激方法でやってみようという話になりましたが、先生ならどのような刺激方法を提案なさりますか?またどのように決めていくものでしょうか?
ちなみに、私自身 生理周期が整っておりホルモン値の異常がない事や、PCOSではない事、慢性子宮内膜炎の陰性など確認しています。子宮鏡はやっていません。AMHは測った事がありません。
回答済み
ご指名、ご質問、ありがとうございます。
次の採卵の刺激方法をどうしたら良いかというご質問ですね。
ちょっと経過をまとめさせてもらうと、
・採卵①精索静脈瘤手術前、アンタゴニスト15個採卵、ICSI、4個胚盤胞凍結、1個流産3個着床せず
・採卵②精索静脈瘤術後4ヶ月、アンタゴニスト9個採卵、スプリットでICSI2個cIVF1個胚盤胞凍結、3個着床せず
・採卵③アンタゴニスト7個採卵、cIVFで受精するも胚盤胞到達せず
・採卵④アンタゴニスト22個採卵、スプリットで受精するも胚盤胞到達せず
・質問:次の刺激どうしましょう?
そうですね、ある刺激方法で十分な数の良好胚盤胞が得られれば、その胚で妊娠成立しなかったとしても次の刺激を必ずしも変更する必要はないと考えています。逆に胚発育が全然イマイチだったらすぐに変更しています。
やはり基本はアンタゴニストとしている施設が多いかなと思います。全胚凍結が前提の施設も今は多いので、PPOS法も日程をコントロールしやすくて多用されていると思います。アゴニスト法(ロング法やショート法)は使われることは少なくなってきていますよね。
2024/2現在私の所属する施設ではショート法もしばしば選択していますが、これは他よりもOHSSのリスクが高いので、通常はOHSSリスクが高くない方で新鮮胚移植を想定してる方にしています。AMHは測った事がなくても直近で22個採卵しているとしたら、OHSSに注意しないといけないと考えられます。
何をやってもうまくいかない方にはあえて低刺激(クロミッド)を選択して、妊娠した方も経験しています。一般的には卵子の質は低刺激でも高刺激でも変わらないと思っていただいて構いません。
胚盤胞に到達しなくなった原因はわかりませんが、年齢が上がったせいなのか、精子の質が悪くなったのか、、、簡単に検討できることとしては、抗酸化剤と言われる種類のサプリメントでしょうか。ビタミンC、E、Lカルニチン、コエンザイムQ10、レスベラトロール、メラトニンあたり。レスベラトロールは着床の邪魔をするので採卵までにしておいてください。パートナーの精子の質も上げられるようにビタミンやLカルニチンあたり一緒に飲むことをお勧めしたりもします。
どうしても胚盤胞にならない場合には、初期胚移植も検討します。新鮮胚だったり、凍結胚だったり。胚移植あたりの妊娠率が胚盤胞移植の方が高いのは間違いありません。ただ、体外培養装置や培養液は子宮や卵管内の環境を100%完璧に模倣できているわけではないので、という理由です。
これまでの胚移植数が多そうなので、並行して、子宮鏡検査や子宮内フローラ検査なども検討しても良いかもしれませんね。
決定的なアドバイスはできないので、判断材料になりそうなことを記載させていただきました。少しでもお役に立てれば幸いです。
次の採卵が良い結果につながることを祈っております。
2024年02月25日 13時08分