指名:どっと@小児科医 先生

子供の血液による抗体検査について

10歳未満女性

こんにちは。

先日、溶連菌に初感染して療養中です。
コロナに最感染してから、子供が熱を出すことが増えたように感じています。
もしかして、これまで接種したワクチンの抗体が低くなってるのかなぁと漠然と不安になっています。

今、大人で抗体検査をする人が多いですが、例えば子供は何歳くらいからおたふくや麻疹などの検査できるのでしょうか?

また、小児科ではそのような目的での検査はしてもらえないのでしょうか?
よろしくお願いします。

回答済み

小児科

こんばんは。ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。

「コロナに再感染後、子どもが熱を出すことが増えているように感じているため、これまでに接種したワクチンの抗体が低くなっているのではないかと漠然と不安を感じている。大人でも抗体検査をするような話が出ているが、子どもの場合は何歳くらいから抗体の検査をできるのか。」というご相談ですね。


メディアでも抗体検査について触れることが増えてきておりますので、行うべきなのか日常的に気になってくるというお気持ちもよくわかります。とくにお熱をよく出していると免疫に問題があるのではないかと感じられる方も少なくありません。


先に主なご質問に対するお答えとなりますが、麻疹やおたふく風邪などの感染症に対する抗体検査は予防接種歴がある場合は、通常行う必要はありません(行いません)。


ご年齢や生活環境などがわからないため、一般的なお話とはなりますが、コロナ禍から開け始めたここ1-2年の間に急激に感染症の流行が広がってしまっているため、何度も熱を出してしまうようになったというお子さんはかなり多いというのが正直な印象です。

これは、ユニバーサルマスクによって抑えることができていた感染症を抑えられなくなり、感染したことがない・前回の感染からかなり期間が空いてしまい十分な免疫を維持できなかった感染症に対して弱くなり、感染しやすくなっていることが想定されています。

実際に小学校高学年など、平時なら頻繁に風邪をひくようなことがなくなってくる年齢のお子さんが、コロナやインフルエンザはもちろんその他のウイルス感染によって、繰り返し熱を出しているようなお話を聞くこともそれほど珍しくありません。


「コロナ感染によって免疫が弱くなるのではないか」という話はときどき耳にすることかと思いますが、予防接種などですでに獲得した抗体を失うようなことは現状あまり報告されていません。

何となく抑えられていた感染症が急激に再流行してきた流れから、そのような印象を受けてしまうのではないかと思いますが、コロナに何回か感染したからといって他の感染症の抗体価を評価する必要はありません。


(特に大人で)抗体検査を行う対象者は主に以下のパターンです。

・2回の予防接種歴がない、もしくは不明

(1回だけ接種したことがある場合は基本的には接種を勧めますが、抗体検査の結果をみて判断でも良いとは思います)

・麻疹に感染したことがある気がするが、はっきりとはわからない

▶ このような場合では、抗体がついている可能性はあるものの、実際には接種していなかった、麻疹にかかったわけではなかった可能性などがあるため、予防接種をするかどうかの判断を目的として抗体検査を実施することが検討されます。


 抗体検査は抗体がついているかどうかを確認する検査ですが、特に麻疹やおたふくなどのワクチンは2回接種による有効性は非常に高いため、特殊な事情がない限りは2回の接種歴が明らかであれば、検査をする必要はないというのが一般的です。


 なお、小児期でも特殊な状況であれば、抗体検査を行うことはあります。例えば一部の病気で「免疫グロブリン療法」という治療を予防接種から期間が短い状況で行われた場合には、この治療によって直近で受けた予防接種の効果が得られなくなってしまう可能性があるため、抗体検査を行って評価するなどはあります。

 特に年齢に関する制限はありませんが「検査をする必要がある状況で」「目的を持って検査する」必要があるため、ケースバイケースで判断して対応します。

 検査をする必要があまりない状況であれば、やはり注射(採血)での検査で痛みを伴うことから、一般的な小児科医はおすすめすることはないかなと考えます。


 回答としては上記となります。どうしてもご心配でしたら、上記をご参考にしていただきつつ、かかりつけの先生と改めてご相談いただければと思います。

 はやくあまり熱を出さないようになると良いですね。お大事になさってください。

2

2024年03月20日 23時33分


参考になりましたか?
ハートを贈りどっと@小児科医先生を
サポートしよう!

小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

相談一覧