親のワクチン接種について
50代男性
いつも有益な情報ありがとうございます!
保育園に通うもうすぐ2歳の娘がいます。
母40代、父50代です。
子供が保育園で様々な感性症にかかるリスクを考慮して、入園前(1歳前に入園)にかかりつけ医に大人は何のワクチンを打ったらいいのか?どこまで考慮する必要があるか?と質問したところ、インフルエンザとコロナ、第二子を考慮するならば、風疹のワクチンを推奨されました。
第二子の予定はなかったのですが、夫が区の補助で風疹の抗体を調べたところ、抗体があったため、MRは打たずに終わりました。(私は2回接種済み)
麻疹が流行っているので、夫が打った方がいいかと迷っているのですが(年代的に大丈夫じゃないかと以前医師には言われています)、
今年はおたふくが流行るかもしれない、海外では百日咳が流行っている、水痘も少し家のエリアで流行っています、全て打つのも現実的ではないような気はするのですが、この際検討した方が良いのか?と思ったりもしています。
子供にうつしたくないのと、子供からもらってしまうのも、避けたいところです。
私は介護職ですが、周りもインフルエンザ、コロナワクチンを接種している程度です。
コロナ前だとおそらくそこまで考慮する必要はなかったのではないかと思うのですが、昨今の様々な感染症の流行を考えると、ワクチン接種はどこまで考慮し、どのように考えていったら良いのでしょうか?
宜しくお願い致します。
回答済み
こんにちは。ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。
「もうすぐ2歳になる子がいる家庭で、子どもが保育園でさまざまな感染症にかかってしまうリスクから、大人もワクチンで予防できる感染症はなるべく予防していきたいと考えている。かかりつけ医では、インフルエンザとコロナ、第二子を考慮する場合は風疹といわれたが、最近報告のある麻疹やおたふくかぜ、百日咳、水痘などどこまで予防を考えた方が良いか悩んでいる。」というご相談ですね。
とても興味深いご相談をありがとうございます。さまざまなワクチンが開発される中で、ワクチンで予防できる感染症(VPD)はなるべく予防していくことはとても大事なことです。
どこまでリスクを考慮して接種を考えていくかというとは、確かに情報が少し不足しているかもしれません。年齢や状況によって、推奨度は変わりますが、一般的なことを提示させていただきます。
なお、詳細は日本プライマリ・ケア連合学会のこどもとおとなのワクチンサイトがとてもまとまっておりますので、ご参考いただければと思います(https://www.vaccine4all.jp/)。
* おとなに一般的に推奨されるワクチン
大人の方で接種を勧めるワクチンとしては、ご指摘いただいているインフルエンザワクチン・コロナワクチンに加えて、65歳以上の肺炎球菌ワクチン、50歳以上の帯状疱疹予防ワクチン(2種類あります)が挙げられます。
(帯状疱疹予防ワクチンは、「50歳以上」に加えて「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと思われる18歳以上」で推奨されています)
また、麻疹や風疹に「2回の接種歴がない かつ 感染歴がない」方ではMRワクチンの接種を検討したいです。
麻疹の対策として、お父様がMRワクチンの接種を検討する場合には、現状はMRワクチンの在庫が不安定ということもあり、抗体価の検査をしたうえでご判断いただくことをおすすめします。
* その他のワクチンはどう考えるか
その他のワクチンは必ずしも大人も全員に推奨するというほどではありませんが、余裕があって、感染リスクがある場合には接種を検討していただきたいものという認識です。
・百日咳:小さなお子さんと関わりのある方は、3種混合ワクチンの接種が検討されます。国内では基本的に小児と同じDPTワクチンが選択肢となりますが。輸入ワクチンとして成人用に副反応が少ないとされるTdapというワクチンも一部医療機関では使用可能です。破傷風予防という意義もあります。
・B型肝炎:医療従事者、透析患者、海外長期滞在者などハイリスクな方を中心に、予防の希望がある方に接種が推奨されます。ただ、現在は小児は定期接種になっているため、お子さんから感染するリスクは非常に低いです。医療従事者や性感染症として成人の中で感染する可能性はあるため、必要に応じて接種をご検討ください。
・おたふくかぜ:「2回の接種歴がない かつ 感染歴がない」方には接種が推奨されます。成人で感染する可能性は高いとは言えませんが、まだ小児でも定期接種になっていないことから、小児の間で流行した時に子育て世帯は感染するリスクは小さくはありません。おたふくかぜは似た症状を起こす感染症もあるため、本当に感染したことがあるかの証明は抗体価などを検査しなければわからないというのが悩ましいところです。
・水痘:水痘自体を予防する目的の場合は「2回の接種歴がない かつ 感染歴がない」方で検討されます。帯状疱疹を予防する場合は、上記の通りです。
何度か出てくる「2回の接種歴がない かつ 感染歴がない」はとても重要なキーワードですが、正直なところ大人の方では母子手帳が残っていない、接種歴は覚えていないなどのパターンも少なくないと思います。記録がなく、記憶が曖昧な場合は接種もしくは抗体検査をご検討いただくことをおすすめします。
回答としては上記となります。
ご参考になりましたら幸いです。
2024年03月27日 13時46分