指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

妊娠希望者の生理不順の治療方法

30代女性

妊娠希望の30代ですが、元々生理不順のため、メドロキシプロゲステロンを服用して生理を起こし、生理後5日目からクロミッドを飲んで排卵誘発をするという治療中(1回目)です。
薬を服用すると体が重く気分が悪くなり、体重増加してしまい、運動や食事に気をつけておりますが、気持ちが滅入ってしまっています。
妊娠希望する以前にもこちらの薬ではないですが生理不順を改善するためにホルモン剤を服用したことがあり、体調が悪くなり自分の体にはホルモン剤は合わないのかと感じています。

薬を服用せず生理不順を改善して、
妊娠できることが望ましいのですが
ホルモン剤治療は避けられないでしょうか。
現在かかっている病院の先生に、
こちらの内容を素直に伝えた方がよろしいでしょうか。
詳しい内容はわかりかねるのですが、
女性ホルモンの値を測るような血液検査では異常はないとの結果でした。

難しい質問をしていまい恐れ入りますが、
読んでいただけたら幸いです。

回答済み

産婦人科

ご質問ありがとうございます。

妊娠希望だけれども生理不順があり、ホルモン剤以外で治療ができるかというご相談ですね。


血液検査やエコー以外の妊娠に関する検査は他にされましたでしょうか?

たとえば精液所見に異常がみられたり、卵管に異常がみられたりする場合、クロミッドで排卵誘発をしても妊娠に至らないため、もしそのような妊娠に関わる検査をしていないようであれば、先に検査してもらう事をお勧めします。


それを踏まえて、ホルモン剤以外に検討できるものを以下にご紹介いたします。


○ビタミンD

排卵障害の1つに、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)があります。ビタミンDの摂取によって、PCOS患者さんの発育卵胞の数やインスリン抵抗性などにおいて改善が見られたとの報告が得られています。

日本人女性のほとんどがビタミンDが不足しています。ビタミンDと不妊治療には関する研究でも、ビタミンDが充足しているグループでは妊娠率が高いとの報告もあります。

ビタミンDを多く含む食材をとったり、サプリメントでビタミンDを摂取したりするのはいいと思います。


○ 柴苓湯(漢方)

月経不順や排卵の異常の改善が報告されています。


○ 柴苓湯以外の漢方

当帰芍薬散、温経湯、桂技茯苓丸、芍薬甘草湯なども、使用する事が比較的多いです。

漢方薬はその方の体質や体格などで使い分けます。


○(肥満がある場合)減量

肥満がある場合、それが排卵障害、月経以上の原因になっている可能性があります。無理なダイエットは逆効果ですが、肥満の改善で月経が正常になることも多いです。


考えられるホルモン剤以外のものをあげてみました。他にも食事や睡眠などもとても大切です。また服用されているかもしれませんが、妊活中から葉酸はサプリで摂取するようにしてくださいね。


ただ、先に述べたように、排卵以外の異常がないかは調べた方がよいでしょう。

一生懸命ホルモン剤での治療をしてもそれ以外に妊娠しない因子があるのであれば、もったいない時間を過ごしてしまう事になりますし、ホルモン剤が体質に合わないのであれば、辛いだけになってしまいます。

クロミッドが合わないのであれば、おっしゃる通り、そのまま担当の先生に伝えて頂くのが良いと思います。


そして、いまかかりつけの産婦人科が精液検査や卵管検査などができるかわからないのですが、すぐにご妊娠をご希望であれば、詳しい検査ができる不妊治療専門の産婦人科などに紹介状を書いてもらってもいいと思います。


以上ご参考になれば幸いです。

また何かご不安な事がありましたらいつでもご相談くださいね。


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2023年03月25日 00時20分


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