指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

ピーナッツアレルギーの経過について

10歳未満女性

いつもお世話になっております。
5歳の娘のピーナッツアレルギーについて質問させてください。
離乳食期に小指の先ほどのピーナッツバターを舐めさせたところ、全身に蕁麻疹が出て受診・検査したところクラス5程度のアレルギーが確認されました。
同時期にクラス2〜4の卵アレルギー(症状が出て発覚)もありましたが、「症状が出なければ食べ勧めて良い」と指導をいただき、現在は加熱卵は問題なく摂取でき、「治ったと言っていいでしょう」と主治医から言われております。
話は戻しまして、しかしピーナッツはアレルギー発覚時から現在に至って「これから先ずっと食べさせないほうが良い。お試しもしない方が良い」と言われております。
指導通りこのまま完全除去でいてもらうしかないのでしょうか。
またそのうちエピペンなどの対応が必要なことはありますか?

主治医は偏った主張をされるような方ではないので信用しておりますし、自分でなんとなく調べたりもしておりますが、先生の見解も教えていただけたら幸いです。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。5歳のお子さん、ピーナッツアレルギーの経過について、「離乳食で小指の先ほどのピーナッツバターで全身に蕁麻疹→検査でクラス5、主治医からは「これから先ずっと食べさせないほうが良い。お試しもしない方が良い」と言われている、このまま完全除去か?エピペンなどの対応が必要なことはあるか?」というご質問でした。

主治医の先生とぜひ相談されると良いかとは思いますが、「これから先ずっと食べさせないほうが良い。お試しもしない方が良い」というご意見には少し補足が要るかも知れません。確かにピーナッツアレルギーは治り難いアレルギーではありますが、成人とは異なり、乳幼児期に発症したピーナッツアレルギーに関しては一部治っていくお子さんも居ます。報告により異なりますが、20-30%程度のお子さんが治っていたという報告があります。また、ピーナッツの経口免疫療法については、60-90%で治ったという報告もあります。一方で、治り難いピーナッツアレルギーのお子さんは「重症度が高い」=症状が強い・検査結果が高い・皮ふテストの反応が強いなどの傾向があると言われております。ピーナッツに関しては、特異的IgE検査でのピーナッツだけでなく、より症状が出るかどうかに結びつくアレルゲン成分=コンポーネントの「Ara h2」という項目が非常に参考になります。「Ara h2」が著明に高ければ、なかなか再度食べることを試しにくいかとは思いますが、病院での食物経口負荷試験にて、微量のピーナッツを食べた場合にどれくらいの症状が出るのかということを確認することもあります。微量のピーナッツで高度な症状が出るようであれば、より厳密な食品表示のチェックが必要ですし、エピペンを処方されることもあります。食物経口負荷試験にて強い症状が誘発される可能性がありますので、アレルギー専門医の先生が総合病院など体制が整った病院で施行することになろうかと思います。

僕が主治医であれば、乳児期以降食べてなくて(誤食が無くて)、既に5歳になられているようであれば、そろそろAra h2などの検査結果を再確認して、結果みて、本人のご希望も聞きつつ、食物経口負荷試験をするかどうかを相談をするかと思います。エピペンについては、食物経口負荷試験を希望されなくても、体重が15㎏以上あり、誘発症状が強そうで、誤食の危険性の高さや救急病院までの距離、などを総合的に鑑みて、処方されることもあるかと思います。

お近くに食物アレルギーを専門的に診られている病院があるかどうかにも関わってくるかと思いますが、ぜひ主治医の先生と今後のプランにつきご相談ください。

4

2023年04月05日 20時28分


参考になりましたか?
ハートを贈りこどアレ@小児科&アレルギー先生を
サポートしよう!

「小児科専門医」&「アレルギー専門医」です。お子さんの病気、お子さん関連全般、アレルギー関連、などで、何か疑問や不安がありましたら、どんどんご質問ください。

*小児科の回答は複数の先生でされておりますので、僕は主にご指名でのご質問にお答えしております。ご希望があればぜひご指名して頂けると良いかと思います。

相談一覧