指名:どっと@小児科医 先生

これからのこどものコロナワクチン

10歳未満女性

いつも先生の丁寧なご回答に感動しています。今回は娘たちのコロナワクチンについて質問させてください。
娘たちは今年10歳と8歳になります。コロナワクチンは昨年12月に3回目を打ち終わりました。
先日、4回目の接種券が送られてきました。

大人はこれから年に1回、秋ぐらいに接種する方針だということですが、こどももやはり年に1回は接種した方がいいのでしょうか。

上の子は、熱をだし血小板が少なくなって入院したこともあったり、治るまで時間がかかったりするので、コロナワクチンは打ったほうがいいとは思っていますが、過去2回、接種時に緊張して気持ち悪くなり吐き気があったため、追加の接種をためらっています。

最新のこどものコロナワクチンについて余り情報もなく、これからどうしたものかと考えています。
ぜひ最新の情報や先生のご意見をお聞きできたらうれしいです。

回答済み

小児科

こんにちは。ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。少し返答が遅くなってしまい、申し訳ありません。


今後のこどものコロナワクチンについてどう対応していくべきかというご相談ですね。


こちらについては実際に聞いた医師によっても少し答えが変わってくることはあるような内容かと思いますし、お悩みな方は少なからずおられると思います。


確かに10歳前後のお子さんで入院が必要であったり、命に関わるようなレベルの新型コロナウイルス感染症の患者さんを直接みたことはありません。感染者の母数に対して、若年者が重症化する割合はやはり高くはないと感じます。コロナワクチンの主な目的が重症化の予防ということを考えると、みんながみんな継続的に追加接種をする必要があるかというと正直少し悩みます。


ただ、明確に後遺症とは言えないまでも感染によって高熱や倦怠感が続いたことで、今までのように元気に過ごせず困っているという患者さんは10歳前後の方でも少なからず受診されてきます。もともと国内では10歳前後の方における抑うつや睡眠障害、起立性調節障害などが増えてきている現状を考えると、新型コロナウイルス感染症のリスクは重症化という側面だけでは判断しにくいと考えています。


ワクチンを接種することで感染自体の軽減、症状が軽くなる、後遺症(感染後症状)が減る効果が期待できることは、十分大きなメリットです。確かに世界的にみると、費用対効果が決して高くはないものではありますが、国内で無料で接種できる状況と考えると10歳前後の方には、私は基本的に皆さんに接種おすすめしています。

幸いなことに、小児用のワクチンは発熱などの副反応の頻度も低く、相対的に成人のワクチンよりもより安全なものだと思います。


ちなみにもう少し低年齢のお子さんについては、熱性けいれんや急性脳症による救急搬送は少なからずおられること、もともとの体力などの面からもやはり感染によるリスク自体が小さくないものと感じているため、(同じく成人用と比べても安全性が高いことから)接種を推奨しています。


お子さんたちはすでに3回接種をされているということですね。4回目を接種するとしてもどのタイミングで接種するかなども悩ましいことかと思いますが、ご本人さんとも相談しながらお考えいただくでよいのではないかなと思います。

ただ、緊張して気持ちが悪くなってしまったということですので、接種側のリスクを少し高く見積もって、新しいワクチンが出るまでもう少し様子をみるなども選択肢としてお考えいただいても良いと思います。もちろん、接種時にご相談いただき、横になって接種するなどで安心して接種できるように工夫していただくというのも良いかと思います。


私の考えとしては上記となります。

ご参考になりました幸いです。


参考

・新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント

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2023年04月14日 18時51分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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