指名:どっと@小児科医 先生

生後3ヶ月の下痢について

10歳未満男性

生後3ヶ月の息子ついて、お腹の風邪をひき(小児科の先生にそう言われました)、2週間弱下痢が続いています。(最初2日のは嘔吐もありましたが、今は下痢のみです。)
小児科の先生に乳糖不耐症かもしれないと診断いただき、この1週間ほど粉ミルクをミルクアレルギーの子用に変えていました。その先生からは、治ったら元のミルクに戻して良いと言われました。
下痢の頻度、色が元に戻りつつあったため、今朝から元のミルクに戻したのですが、そうするとやはり、少しだけですが、うんちの色が薄くなり、回数も増えてしまいました。そこで、再度ミルクアレルギーの子用のミルクに戻したのですが、美味しくないのか飲まなくなってしまいました。(元のミルクをあげ直すとたくさん飲みます。)
そこで質問なのですが、乳糖不耐症は、乳糖を完全に除去し続けない限り治らないものなのでしょうか。飲んでくれないのは心配なので、乳糖を与えていても徐々に治るのであれば、できれば元のミルクをあげたいと思っています。
なお、下痢以外の症状はなく、嘔吐、下痢が始まった時からずっと機嫌は良く、ミルクもたくさん飲みます。 なお、下痢は回数は多い(毎授乳後と、次の授乳までに1回程度)ですが、量については多くなく、オナラと一緒に出たかな?くらいの少量の場合も多いです。
恐れ入りますが、今後のミルクの飲ませ方についてアドバイスいただければ幸いです。
(完全ミルクです。)

回答済み

小児科

こんばんは。ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。


乳糖不耐症を疑う3か月のお子さんの今後のミルク栄養をどうしていくべきかというご相談ですね。


確かにミルクを変えることで一旦症状が改善して、戻したら再燃している傾向があるということで、ミルクを誘引とした下痢症状という可能性は否定できない経過だと思います。


一応ですが、アレルギー用ミルクの中にも種類がありますが、今回使われたのは、乳糖も排除されているものということでよろしいでしょうか?


先に乳糖不耐症について簡単に説明させていただきます。

ご存知かもしれませんが、乳糖不耐症は「乳糖」という母乳やミルクに含まれる糖分を体がうまく分解できないことで、下痢をしてしまったり、お腹がゴロゴロいってしまったり、ときには腹痛を感じてしまうような状態です。

人は赤ちゃんの頃、基本的に母乳で生きていくことができるようになっているため、乳児期までは本当の意味での乳糖不耐症という方は非常にまれです(成長そのものに大きく関わります)。

しかし、胃腸炎など体調不良による嘔吐や下痢の後で、乳糖を分解する酵素が一時的に少なくなってしまい、乳糖不耐症症状をきたすことがあります。これを、二次性乳糖不耐症といって、乳幼児期に困るパターンのほとんどはこちらが原因です。年長児になってくると、人種によってはもともと乳を摂取する習慣がないなどの理由で徐々に乳糖分解酵素は減ってきて、小学生以降はずっと牛乳を飲むとお腹を壊してしまうというタイプの方が一定数おられます。


今回相談者さんのお子さんで疑われているのは、二次性の乳糖不耐症というものだと思います。実際には生後3か月くらいで起こることはあまり経験しませんが、体調不良後に一時的に下痢が続いてしまう場合の原因の一つとしては考えられると思います。

もちろんすでに体重や身長の増え方に影響が出てきている場合は、今の時点でもしっかり評価をしてもらった方がよいです。


乳糖不耐症の主な対応は、症状がなくなってくるまで乳糖を避ける、もしくは乳糖分解酵素をお薬として服用していくことですが、どのくらいの期間続けるかというのはかなり個人差も大きいため、あまり明確には定まっておりません。ときどき普通ミルクに戻して、お腹の調子はどうか確認しながら、判断していくのが一般的です。除去していかなければ治らないということはありませんが、下痢がひどくて肛門周囲が荒れてしまっている場合は、除去せざるを得ないというパターンもあります。

また、症状が軽い場合には特別な対応をせずともそのままミルクを続けていくのも選択肢です。この場合は本当に乳糖不耐症なのか、胃腸炎の影響が残っているのかははっきりしない場合もあります。ミルクを続けていても、便性状は自然と安定してくることが多いです。


以上のことから、現状の経過で普通ミルクの方がよく飲んでくれて、下痢も許容内であれば、普通ミルクで経過をみていただいてもよいかと思います。肛門周囲の皮膚が荒れてしまったり、身長体重があまり伸びなくなってくるなどがある場合には、あらためて相談していただく必要があります。


ご相談への回答としては状況となります。

実際に便性状や経過を含めて十分に把握できているわけではないので、引き続きかかりつけの先生と相談しながら対応を考えていっていただくことをおすすめします。

お大事になさってください。


参考

FACTBOOK よくわかる!乳糖不耐症 2020年3月

(https://www.j-milk.jp/report/study/h4ogb40000003zae-att/h4ogb40000003zcp.pdf)

とても分かりやすくご回答いただき、ありがとうございます。ミルクアレルギー用のミルクは、乳糖も含んでいないものです。(明治のミルフィー)。よく飲むことは飲むので、戻して様子を見て、悪化したら再度受診してみます。本当に助かりました、ありがとうございます。

9

2023年04月15日 00時47分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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