指名:Tatsu Ogawa*生殖医 先生

膣坐薬の使用量について

30代女性

現在、ホルモン補充での移植中です。
処方薬は、飲み薬ヒスロン2錠/日と膣坐薬ウトロゲスタン3錠/日です。
この膣坐薬について質問です。
膣坐薬にはいろいろな種類があり、膣坐薬によってプロゲステロン値が違いますが、素人考えだとルテウムの800mgが高くて良さそうに思えます。この膣錠はどのようにして選択しているのでしょうか。
また、値が高い方がよいのであれば、ウトロゲスタンを4錠入れるとルテウムと同値になりそうだと思ったのですが、たくさん入れれば良いというものでもないのでしょうか。以前は、プロゲデポー筋注の処方がありましたが、現在供給の関係で飲み薬と膣坐薬、エストラーナテープのみなので不安です。

回答済み

産婦人科

ご質問、ご指名ありがとうございます。

ホルモン補充の仕方に決まりはないので、各施設によって考え方は異なります。黄体ホルモン剤については腟剤がとても良いとされていますが、血中濃度の個人差などもあり、内服や注射を組み合わせるのが良いだろうという報告もあります。

ご質問の腟剤の種類とプロゲステロン含有量についてですが、各製剤の形状や添加剤などによって吸収のされ方が異なるために含有量が異なるのだと考えます。おそらくそれぞれ使用中の血中濃度が十分に上昇(胚移植日に10以上など)する含有量に設定されています。販売される前の臨床試験の段階で、その含有量で妊娠率や流産率などが他剤に比べて劣らないことは確認されているはずです。血中濃度が低ければ増量も検討されますが、保険診療で処方できる量を逸脱してしまいますのでうまくありません。ただ量を増やすより、投与経路を増やした方が有効という考え方もあります。したがって、どの製剤であっても、添付文書の量を使用し、そこへ内服や注射を追加するかどうかで十分だと思います。

腟剤の選択は、施設の好みが大きいかと思います。国内で販売されている製剤で特に劣るものはないと思います。使用感(腟外への漏れ出し、アプリケータの有無、回数など)はそれぞれ異なると思います。複数種類を採用している施設であれば、使用感が悪ければ製剤変更の希望を伝えてみてもいいかもしれません。どうしてその施設がその製剤なのかは、次の受診時にでも主治医に聞いてみてください。

ちなみに当院は、以前積極的に注射薬を加えていた時期もありましたが、全く妊娠率が上がらず、流産率も下がらなかったので、注射薬のルーチンでの使用はやめました。今は腟剤と内服の組み合わせです。注射薬の不足についてはあまり心配しすぎなくても良いのではないかと個人的には考えています(もちろんあった方が選択肢が増えて良いですが)。

少しでもお役に立てれば幸いです。

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2023年04月24日 12時23分


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産婦人科、専門は生殖医療です。日常の診療では主に、一般不妊治療、生殖補助医療、不育症、がん生殖医療、PGTを含めた遺伝カウンセリングを取り扱っています。1人でも多くの方のサポートができれば幸いです。

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