指名：Tatsu Ogawa＊生殖医 先生

自然移植周期の黄体補充について

30代女性

自然周期での凍結胚移植についてご質問です。
①排卵のトリガーとしてhcg を打った方が確実に排卵日を特定できると思う一方、妊娠率はトリガーを使用しない方が高いと見ましたが、そうなのでしょうか。
②基礎体温が3日くらいかけて緩やかに上がります。黄体機能不全ではと思うのですが、自然周期でも黄体補充をした方が良いのでしょうか。先生のところでは、自然移植周期の黄体補充はどのようにしていますか。

回答済み

産婦人科

user_iconTatsu Ogawa＊生殖医先生

ご指名ありがとうございます。

①自然周期にhCGをトリガーとして使用した場合に、使用しない場合に比べて成績が低下するという報告は確かにあります。ただしまだ現時点では高いエビデンスは示されていませんし反対の報告もありますので、なんとも言えません。人によっては排卵にトリガーを必要とする人もいますし、治療施設における胚移植可能な曜日などの調節も必要なこともあると思いますので、必ずしもhCGを悪者にはできないと思っています。また、より自然な排卵に近づけるという意味ではGnRHアゴニストの点鼻薬（スプレキュアなど）をトリガーに好んで用いている施設もあると思います。

②自然周期でも黄体補充をした方が良いという報告もあります。内服薬や腟剤、あるいは注射剤を用いている施設が多いかと思います。当院も基本は内服あるいは腟剤を用いていて、場合によっては注射を追加して用いることもあります。内服や腟剤はほとんどノーリスクなので、わずかでもリターンがありそうですし個人的には使いたいと思ってしまいますね。ただ、どうしても完全自然周期が良い、という方も稀にいますので、その場合はご希望に合わせています。あとは、自然周期よりレトロゾールによる排卵周期の方が血中プロゲステロン値が上がるので、やはり良いなと思っています。

①も②も、決定的に正しい方法というのはないので、その方の治療ごとに対応は柔軟に変えていると思います。治療内容に不安があれば、状況を把握している担当の先生にもぜひ聞いてみてください。

少しでもお役に立てれば幸いです。

丁寧にありがとうございました

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2023年04月29日 23時30分

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Tatsu Ogawa＊生殖医先生

産婦人科

産婦人科、専門は生殖医療です。日常の診療では主に、一般不妊治療、生殖補助医療、不育症、がん生殖医療、PGTを含めた遺伝カウンセリングを取り扱っています。1人でも多くの方のサポートができれば幸いです。

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