指名:相川晴(HAL) 先生

風疹のワクチン接種について

30代女性

現在第2子妊娠中です。
私は子どもの頃の定期接種で2回、9年前に入職する際に抗体検査に引っかかり追加で1回MRワクチンを接種しています。

しかし、第1子妊娠の際に風疹の抗体価が低いことを指摘され、感染に気をつけながら出産に至りました。

そこで第2子の妊活を始める前に再度ワクチン接種を行ったのですが、半年後に妊娠が分かった時にまた抗体価が低いと言われてしまったのです。
第2子出産後にもう一度接種するよう勧められたのですが、何度打っても抗体がすぐに少なくなってしまう様な場合、これからも定期的に打ち続けるべきなのでしょうか…。
また何度まで打ってもいいものなのでしょうか。

回答済み

一般内科

ご質問ありがとうございます。


子どもの頃にMRワクチンを2回、入職の際に抗体検査でひっかかり1回、しかし風疹抗体価が低かったため第2子妊活前に1回接種しているが、検査で抗体価が低かった。産後に接種を勧められたけれども、今後打ち続けるべきなのか……というご質問ですね。


基本的には主治医の先生としっかり相談されるのが一番と思いますが、一般論としてどう考えるか&私の個人的な意見を書かせていただきます。

「医療関係者のためのワクチンガイドライン」というものがありまして、そちらが参考になると思いますのでご紹介します。

http://www.kankyokansen.org/modules/publication/index.php?content_id=17


こちらでは


1歳以上でワクチン接種歴2回あり→OK

接種歴1回の場合は追加接種1回→OK

感染したことがある場合は抗体チェックで陽性→OK

上記にあてはまらない場合は、あと2回接種→OK


ということで、なんと1歳以上で2回接種していない場合は抗体価のチェックすら不要という指針になります。


で、2回接種しているけれども検査をしたら基準を満たさなかった(十分な抗体価がないけれど陽性)場合はどうか、というQ&Aがあります。この回答は、

"追加接種することに支障はありませんが、「基準を満たす陽性」になるまで予防接種を受け続ける必要はありません。1 歳以上で 2 回の予防接種記録を医療関係者全員が保有することがまず大切です。本ガイドラインでは、1 歳以上で 2 回の予防接種記録がある場合は、 抗体検査を必須としていません。しかし、抗体検査を受けたら「基準を満たさない陽性」であったという相談が多数寄せられています。麻疹と風疹に関しては、「基準を満たす陽性」 は、ワクチンを受けてもブースター効果が働かない程度の高い抗体価を設定しています。 これ以上の判断は各施設にゆだねます。"

という、若干ふんわりとした回答となっています。


ワクチンは、特定の病原体と戦う方法を予習して、次に感染した時に上手に戦えるようにする、というものです。これを獲得免疫というのですが、獲得免疫には、抗体を作る液性免疫の他に、細胞性免疫というものもあります。この二つが働いて、風疹のウイルスから体を守ります。

で、ワクチンを接種しているけれども抗体は陰性だよという方を調べると、多くは細胞性免疫は陽性である、という報告があります。

要するに、通常検査ができるのは「抗体」という液性免疫部分なのですが、実際には細胞性免疫も働いていて、抗体は上がらないのだけれども細胞性免疫はついている、ということが多くある、ということです。

しかし、抗体が陰性でも本当に細胞性免疫がついているか? ということは一般的に調べることができません。


じゃあどう考えるかというと、ワクチンを2回接種していればほとんどの方(1回接種で95%、2回接種で99%)は抗体価は陽性になる&ならない人も細胞性免疫は上昇していることを考えると、「2回接種でOK」が答えになると思います。

抗体価を更に検査して追加接種することも間違いではないと思います。が、複数回接種しても抗体価が十分あがらない方はいらっしゃいますし、陰性でないのであればおそらく大丈夫(細胞性免疫はついている)というのと、陽性になるまで接種を続けるのはあまりにも個人の負担が大き過ぎる、と私は考えます。

一人の人が複数回ワクチンをうつよりも、ワクチンを2回接種していない周囲の方がワクチン接種をし、集団免疫を形成することで、風疹自体が流行しないように努めてもらうことがとてもとても重要だと考えています(もちろん質問者さまがどうこうできる問題ではなく、これは公衆衛生上の課題となります)


質問者さまの状況を鑑みますと、追加で接種しても構わないと思いますが、抗体価が上がるかは微妙ではないかと思いますし、これ以上繰り返し接種するのは負担が大きく、もう十分出来うる限りの対策はしているので、あとは抗体あるなしに関係なく、一般的な感染対策をして過ごすというので十分ではないか……と私は考えますが、最初に申し上げた通り、主治医の先生の考え方もあると思いますし、もっと多くのデータを持った上での提言ではないかとも思いますので、あくまで参考程度にしていただけますと幸いです。

はっきりとした答えが出せずに申し訳ありません。

ちなみに、こんな回答をしていますが、私も2回接種では抗体価が十分に上がらなかったタイプで、記録ある範囲で3回以上接種しています(次女妊娠時には十分抗体価がありましたが、今はどうかわかりません)長女次女ともに風疹流行中の妊娠・出産で非常にヒヤヒヤしたのを覚えています。


まずは二人目のお子さんの無事の出産となりますこと、心よりお祈りしております。

少しでも参考になれば幸いです。


参考

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/vaccine-guideline_03-5.pdf

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/MMRV_Q%EF%BC%86A.pdf

https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/02903/029030287.pdf

14

2023年05月04日 02時27分


参考になりましたか?
ハートを贈り相川晴(HAL)先生を
サポートしよう!

内科医なのですが、こちらでは補完食(離乳食)についてや、ネットなどの健康情報の疑問などに回答できたらと考えています。

私の実力不足により、お答えできない質問はキャンセルさせていただくことがあります。ご了承ください。
回答まで少しお時間をいただきます。ご了承ください。

ハート、ありがとうございます! お返事ができませんが、少しでもお役に立てたのであればこれ以上嬉しいことはありません。

相談一覧