臨月でMRSA保菌が判明

30代女性

臨月のおりもの検査にてMRSA感染が判明しました。

レンサ球菌は感染していないとのことです。

MRSAは免疫が弱い高齢者や新生児が感染すると重症化しやすいとネットで読んだため心配です。

担当医の判断のもと、今のところ経膣分娩予定ですが、分娩時や産後のお世話の際に赤ちゃんに感染させないか気がかりです。

現時点で低体重で産まれる可能性が高いため、標準体重の赤ちゃんと比べ抵抗力が弱いのではないかと尚更心配なのですが、一般的にMRSA保菌の妊婦が出産前後に注意が必要なことはありますか?

回答済み

産婦人科

ご質問及び詳細な状況をお伝え頂き、ありがとうございます。


出産前のおりもの検査で検出されるMRSAに対して特別な治療は必要ない、というのが現時点での標準的な考え方です。

腟の中には複数の細菌が繁殖していますが、現時点の知見では、MRSAが赤ちゃんにとって分娩時に特別に有害な細菌というわけではありません。

また、赤ちゃんは腟からの分娩時に大腸菌などを含めた複数の細菌に曝されます。

稀ながらそれが原因で肺炎などを起こす可能性も確かにありますが、そういった細菌に曝されずに帝王切開で出生した赤ちゃんの方が、かえって感染に脆弱だったりアレルギー疾患の懸念がある事が近年になって指摘されています。

赤ちゃんが小さめという事もありご心配かと思いますが、過剰な心配は不要な状況かと思います。

上記の回答で、少しでもお力になれれば幸いです。

1

2023年05月02日 20時09分


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産婦人科医として10年間以上の勤務歴があります。
これまでの勤務先では生理・避妊などの女性特有のお悩みや性感染症などのご相談や治療を行ってきましたが、特に子宮頸がん治療にも専従していました。
現在は子宮頸がん検診やオンラインでの低用量ピルなどの処方、HPVワクチンの説明を行っています。
「自分が女性だったらどんな医療相談が望ましいか」
を常に意識していますので、ご遠慮なくご相談ください。

ご質問ありがとうございます。

そしてご懐妊誠におめでとうございます。

妊娠後期の妊婦健診でMRSAが検出されて、赤ちゃんに影響がないか心配というご相談ですね。


腟分泌物が原因で児に早発型の感染症を起こした報告はほとんどありません。(性感染症である、クラミジアや淋菌、コンジローマなどは出産前に治療対象となります。)

赤ちゃんは生まれた瞬間から、多くの細菌に暴露されます。そのときにMRSAを含むブドウ球菌が新生児に最初に付着する菌として多いことがすでにわかっています。しかし、お母さんと触れて母乳を飲むことによって、体の表面や腸管の常在細菌叢を獲得して免疫物質を獲得します。

よって正常な新生児の場合はMRSAの感染を発症することはほとんどありません。ですので、正常新生児の場合は問題ないと考えていいでしょう。

ただ早産など低体重で生まれた場合にはNICUなどで、医療従事者から赤ちゃんへの感染などの、水平感染のリスクになることもあるので、気をつけなければいけません。

そして実は、MRSAに関してはお母さんたちよりも医療従事者が保菌している方がずっと多いのです。

医療従事者がしっかりと手を洗うなど感染対策をとっていきます。

どのくらいの低体重か、だったり、赤ちゃんの状態によってもリスクの度合いや対策が異なってきます。

いまのご質問者様のお子様の場合にどんなリスクがあるのか、かかっている医療機関で具体的に聞かれることをおすすめします。


また、今現時点で何かできることはないかとご心配だと思いますが、とくになにも変える必要はありません。


ご心配だと思いますが、いまは臨月になられているということで、赤ちゃんとの生活を楽しみにゆっくり過ごされるといいかと思います。


少しでもご参考になれば幸いです。

また何かご不安な事があればいつでもご相談ください。

そして元気なお子様にお会いできることを心よりお祈りしております。

2

2023年05月02日 20時16分


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