指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

卵子凍結について

30代女性

はじめまして、質問させてください
子宮腺筋症と3年前に言われ、ジエノゲストを服用し生理を止めています。
30代後半になり パートナーはいませんが、子供を授かりたい気持ちが強く、卵子凍結を視野に入れております。
AMH検査をして現状を知るべきなのか子宮に疾患のある私はそもそも卵子凍結はするべきではないのか、先生教えてください。

回答済み

産婦人科

ご質問ありがとうございます。

30代後半、子宮腺筋症でジエノゲスト服用中、将来的に妊娠を希望していらっしゃって卵子凍結を検討しているがどうするべきかというご相談ですね。


まず、子宮腺筋症でジエノゲストを服用しているとの事、現時点でできる最高の治療をされていると考えます。


子宮腺筋症は月経を繰り返すごとに悪化してしまうので、ジエノゲストで月経を起こさないようにするのが保存的治療の中では一番の治療です。


実際にご質問者様のエコーやMRIなどの画像を見ていませんので、どの程度の子宮腺筋症かわかりかねますが、子宮に疾患があるから卵子凍結をすべきでない、という理由には全くなりません。

卵子は年齢とともに老化し、数も減っていきます。

将来の妊娠を強く希望しているようであれば、卵子凍結は一つの選択肢になるでしょう。

卵子凍結をする場合、実際に妊娠に至るためにはある程度の数の卵を採卵する必要があったり、卵子凍結したからといって必ずしも妊娠に至るわけではありません。

それでも、卵子凍結をせずにそのまま年齢が40代になってパートナーができたときに、『あのとき卵子凍結をしておけばよかった』と思わない自信はありますか?

もし少しでもそのように思う可能性があるのであれば、思い切って卵子凍結をした方が、もやもやせずに希望を持って日々過ごせるのではないでしょうか。例えば卵子凍結をしているからこそ、パートナーを作る際に焦らずにすむ可能性もありますよね。卵子凍結をしていなければ、パートナーができた時にもしかしたら、妊娠を早くしなければいけないから早く結婚しなければ!と相手に迫りすぎてしまうこともあるかもしれません。

このような事はあくまでも私の想像ですが、卵子凍結をする事で、焦りから解放され余裕を持ってライフプランを立てられる可能性もあります。


また医療機関によりますが、卵子凍結を40歳未満の年齢制限を設けている所は多いです。いまのご年齢であれば、ご年齢だけを考えれば問題なく卵子凍結が可能でしょう。

AMHを測って現状を見た上で決めてもいいとは思いますが、仮に今AMHが高いから卵子凍結をしない選択をしたとしても、将来妊娠したいと思ったときにAMHがどうなっているかは全くわかりません。


卵子凍結は一つの選択肢ですので、後悔しないように選択されるといいとおもいます。お金のかかる事ではありますし、100%妊娠できる保証があるわけではありませんが、将来的に卵巣機能がかなり下がってしまっては、どう頑張っても妊娠に至らない事もありますので、その時に『やっておけばよかった』と思う可能性があるなら、卵子凍結をすることをおすすめします。これは産婦人科医としての意見というよりも私個人の意見です。また、すると決めたら1周期でも早い方がいいです。


そして、子宮腺筋症を見てもらっている主治医にも卵子凍結について意見を求めてみてはいかがでしょうか。

実際の画像を見たりご質問者様と直接お話ししている主治医であれば、また違った視点からの話が聞けるかもしれません。


以上ご参考になれば幸いです。

またなにかご不安な事がありましたらいつでもご相談くださいね。

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2023年05月15日 00時14分


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YouTuber、産婦人科専門医、指導医、がん治療認定医、性教育認定講師です。生理、更年期、癌、セックス、婦人科形成手術、なんでもご相談ください。
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