指名:Tatsu Ogawa*生殖医 先生

慢性子宮内膜炎について

20代女性

20代後半 1人目不妊治療中の者です。
慢性子宮内膜炎についてお聞きしたく質問させていただきます。
移植①(6日目4BB)を終え結果は陰性、原因不明のため今回CD138検査を行ったところ、32個/20HPFで陽性でした。これは重症の慢性子宮内膜炎ということになるのでしょうか?
ビブラマイシンを2週間内服することになりましたが、再検査なしで採卵②周期に入る予定です。32個という数でもビブラマイシン1クールで陰性になることもあるのでしょうか?また、先生の病院では再検査はおすすめしていますか?

お時間あるときに回答いただけると嬉しいです。

回答済み

産婦人科

ご質問、ご指名、ありがとうございます。

慢性子宮内膜炎については各施設ごとに診断基準も治療方法も異なりますので、何が正しいという内容はまだ存在しません。重症の基準ももちろんありませんが、個人的な経験で言えばCD138陽性細胞100個以上の方も何人かいました(改善後の胚移植で妊娠成立した方もいます)。

当院では5個/10HPF以上で陽性と判断し、2週間のビブラマイシン内服後、月経周期中の前回検査と同時期に再検査しています。基準を下回れば改善したとみなし翌週期に胚移植、改善なければシプロフロキサシンとメトロニダゾールを内服してもらってまた再検査へ…という流れです。ビブラマイシン後に改善している割合は、当院データでは4割程度で、改善後の妊娠率向上を学会で報告しています。32個から一気にほぼ0個になることもあります。

また、抗菌薬投与により子宮内細菌叢に変化が起きますので、ラクトフェリンやプロバイオティクスを使用してラクトバチルスを増やす行動をオススメします。

繰り返しになりますが、慢性子宮内膜炎についての画一的な考え方はまだありません。施設ごとに異なりますので、ぜひ担当の先生とよく相談して治療方針を決定してください。

少しでもお役に立てれば幸いです。

いつも丁寧に、わかりやすく回答してくださりありがとうございます。
私は助産師なのですが不妊治療については全くの素人なものの中途半端に生殖医療の知識があるため逆に不安になりながらARTにチャレンジしています。今回内膜炎のことも先生の意見が聞けて参考になりました。

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2023年05月16日 21時07分


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産婦人科、専門は生殖医療です。日常の診療では主に、一般不妊治療、生殖補助医療、不育症、がん生殖医療、PGTを含めた遺伝カウンセリングを取り扱っています。1人でも多くの方のサポートができれば幸いです。

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