相談詳細

指名:相川晴(HAL) 先生

子どものために、正しい情報を手に入れるには

20代女性

先生こんにちは。いつもTwitter読ませていただいています!

現在子育て中の者です。

質問させていただきたいのは、「子どものために、正しい情報を手に入れるには?」ということです。

私の周りには、所謂「自然派思考」のママ友がいます。子どものためにと思っての行動だと理解しているので、その事自体やそのママの価値観は、同じ親として共感できるので否定しません。

しかし、「間違った情報・偏った意見を、さも当然のようにSNSで発信する」ことについて、モヤモヤしております…

インスタ等でよく見る「〇〇を食べるとガンになる!」「マスクは意味ない!」「ワクチンは毒!子どもに打たせないで」のようなものを鵜呑みにしているといった感じです。

さらに、「投稿を見た別のママ友も、その情報を信じてしまう」ことにモヤモヤが追加されていきます…。

ママ友を真っ向から否定するのは得策ではないと思いますし、その前にまずは自分が「何が正しいか?」を判断できるようになりたいと思っています。

つきましては、「特に子どもに関する、食・健康・病気、予防接種等について、正しい情報の取捨選択の仕方」をご教授いただきたいです。
よろしくお願いいたします。

回答済み

一般内科

ご質問ありがとうございます。Twitterも見てくださってありがとうございます!


さて、「特に子どもに関する、食・健康・病気、予防接種等について、正しい情報の取捨選択の仕方」ということで、これは本が一冊かけてしまいそうな、そして大変大切な質問です。


1.まず、「疑う」

なんでもかんでも疑うと、これまたエセ医学の入り口だったりするので、次のような情報を見た時に疑うようにしてみてください。


  • これまでの常識を覆す内容
  • 恐怖を煽る内容・恐怖を感じさせられる内容
  • 限られた人しか知らない真実を謳う内容
  • 「権威のある人が◯◯と言っていた」などの伝聞の内容
  • やたらと断定的
  • 「そもそも昔は」と、昔はみんな健康的であったかのように書かれた内容
  • 「子どものことを守れるのは親のあなただけ」
  • 「思考停止しないで自分の頭で考えましょう」


等々いろいろあるんですが、こういった内容・キーワードが入ってきた時は、まず疑ってください。


2.疑ったら、情報を改めてよく見る

情報を見返してみると、そこだけでいろいろと見えてきます

・その情報は伝聞形ではないですか?

「〜〜ってきいたよ」「〜〜って言ってた」などの誰かから聞いた情報は、概ね眉唾です。伝言ゲームってありますよね。どこかで歪んでます。

・量について書かれていますか?

「◯◯は害がある」「毒」「危険」もしくは「健康にいい」の類。その◯◯を具体的に一度にどのくらいの量・どのくらいの期間続けたら影響が出るか書かれていますか? 量の概念がないものは、大体眉唾です。どんな薬も過ぎれば毒です。塩も摂り過ぎれば死亡しますが、適量は美味しいですね。

・出典は書かれていますか?

出典とは、引用していたり内容の元になる文献のことです。どんなにそれっぽいグラフや論文っぽい内容が書かれていても、実際に出典が書かれていますか? 書いてなかったらスルー。

・なにが出典ですか?

出典が書かれていても、それが個人のブログでは意味がありません。出典の見極め方はものっっっすごく難しいんですが、「動物実験ではない論文」「公的機関が書いている内容」「古すぎない内容」あたりを目安にするとよいかもしれません。また、「厚労省が書いている!」と書かれていても、実際にそのページへのリンクが貼られていない場合は、嘘・大袈裟・紛らわしい・悪意ある切り抜きな内容である可能性も大きいです。


3.検索しすぎない・検索をしぼる

その情報が本当かどうか、検索したくなると思いますが、この時のキーワードに

「◯◯ 危険」

としてしまうと、「◯◯が危険」と書かれたサイトばかりが出てくることになります。かつては「ググレカス(googleで一度検索してみてくださいね)」という言葉がありましたが、最近は「ググるなカス」です。下手に検索するとドツボにはまります。

調べるとしたら、

「◯◯ 危険性 go.jp」もしくは「ac.jp」

go.jpは日本の公的機関のドメインになります。ac.jpは大学関連です。

不確かな情報、誤った情報を公的機関は流しません。ここで引っかかってこない時は、少なくとも「まだ信じるに値しないくらいの内容」でOKです。(ac.jpは学生さんの書いたレポート的なものも出てしまうことがあるのでたまに注意が必要です)


4.心配になった時は主治医に相談

それでも極端な情報に触れて心配になる時があると思います。一番はかかりつけの先生に相談することです。(もしかすると心なく笑われてしまうこともあるかもしれませんが、笑われる内容である時は、医学の常識からかけ離れている時と思ってください)

主治医に話しにくい時はツイキュアも使ってね。


といったのが私の回答になります。思いつく範囲で羅列したので、若干まとまりがなくて申し訳ないです。

他にも、厚生労働省が「情報の見極め方」をまとめてくれているので、こちらもよかったら読んでみてください。

https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint/


おっしゃる通り、ママ友とやりあうのは得策じゃありません。でも情報から自分を守れれば、「それはそれ」で友人関係を続けていけると思いますし、なにかの折にふんわりと伝えられる時もあるかもしれません(が、無理はしないでください。)


少しでも参考になれば幸いです。


17

2023年05月23日 17時16分


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