指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

尖圭コンジローマ

20代女性

付き合ってた彼とお別れして、2ヶ月位たった頃に陰部にイボのようなものが見られ婦人科を受診し、コンジローマと受診されました。
腟の中の壁にも小さなコンジローマが出来ていて、薬物療法が出来ないとの事で紹介状を書いて別の病院でレーザー治療をするように勧められました。
コンジローマになっていながらも恥ずかしいですが、自分は痛いのが苦手です。
紹介状を頂いてから、来週別の病院に行くことになり、このままレーザーでしかもう腟内は治せないのでしょうか?(泣)
膣の中をレーザーと考えただけで涙が止まりません。調べると麻酔が痛いなどと出たり一生向き合って行かなければならないと出たり色々と不安でいっぱいです。

回答済み

産婦人科

ご質問ありがとうございます。

腟内にコンジローマができていて、レーザー治療を勧められているが、それ以外の治療はないのか、というご相談ですね。


たしかに、外陰部の外側であればベセルナクリームの塗布で良くなることが多いのですが、腟内ですと塗布出来ないので、外科的に切除したり焼いたりすることは多いです。


レーザー以外には、電気メスによる外科的切除、液体窒素による凍結療法などがあります。外陰部よりも腟内の方が痛みの感覚としては弱いので、部位によっては局所麻酔をしないで処置することもあると思います。


液体窒素に関しては複数回治療が必要ですが、局所麻酔は必要ありません。

もし麻酔が怖いようであれば、液体窒素の治療について、担当医に聞いてみてはいかがでしょうか。


それ以外に、腟内のコンジローマに対しては5-FUという抗がん剤を塗布する治療法もありますが、コンジローマには適応がないので自費になるのに加え、エビデンスレベルの高い論文がなく、日本性感染症学会ガイドラインから削除されています(行っている医療機関はあります)。

また米国では肛門や腟内にも使用可能な緑茶抽出物軟膏が発売されていますが、日本では承認されていません。


腟内や尿道口付近などにコンジローマが広範囲かつ大量にある場合、麻酔をかけて患者さんが寝た状態で手術をする事もあります。


部位や範囲などによって治療法が決まると思います。


また、ハトムギエキスの漢方であるヨクイニンの内服を併用する場合もあります。ハトムギエキスには免疫賦活作用や抗腫瘍作用があるとされています。


ちなみに、コンジローマと一生向き合っていかなくてはいけないかというと、そんな事はありません。


たしかにコンジローマは治療して、目に見えるイボがなくなっても3か月以内に約25%が再発するとされています。潜伏したHPVが新たなイボとして出てくると考えられますが、肉眼的に気づかない程度の、完全に治りきらなかった病変がまた大きくなっただけ、とも言えます。

3ヶ月以内が再発が一番起こりやすい時期ですが、それを超えて再発しないようであれば、免疫で抑えられ、再発することは少ないと考えていいでしょう。

一度完全にコンジローマが治って再発のない人が、数年以上経過してコンジローマがまた発症するということは珍しいです。


コンジローマと診断され不安でいっぱいだと思いますが、一度治療して再発のピークを過ぎてしまえば、あまりびくびく生活することはないでしょう。

治療は怖いと思いますが、本当に難しいようであれば麻酔を使う場合もあるので、治療の選択や麻酔に関しては、担当医とよく相談してみてください。


以上ご参考になれば幸いです。

また何かご不安なことがありましたらいつでもご相談くださいね。

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2023年05月24日 21時23分


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YouTuber、産婦人科専門医、指導医、がん治療認定医、性教育認定講師です。生理、更年期、癌、セックス、婦人科形成手術、なんでもご相談ください。
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