指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

生理の出血と子宮頸がん

30代女性

先程は生理の出血と子宮頸がんについてご回答いただきありがとうございました。
以下続きになります。

今月子宮頸がん検査で
3a LSIL
扁平側細胞 表層 ++
      膀基底 +
円柱上皮細胞 頸管内膜 +
遊走細胞 好中球 +
中間層ないし表層と思われる細胞に核の腫大とクロマチンの増生が認められます。核型に不整があり小塊が認められ、koilocytosisが見られることによりmild dysplasiaと診断します。

との検査結果だったため24日にコルポ検査をしたばかりです。その後30日から生理になりました。先月の生理は4/29〜、基本7日間ぐらいでおわります。まだコルポ検査結果待ち中でLSILが出てから不安の毎日で、今まで気になってこなかったおりものや生理の出血量も敏感に気になってネットで調べ、また不安になるの毎日です。なので今回のレバーのような塊も、今まで毎月出ていて気にしてきませんでしたが今回は気になってしまいレバーのような塊が出てくるのも、子宮頸がんの可能性があるからなんだと思ってお聞きしました。どうなのでしょうか?

回答済み

産婦人科

ご質問ありがとうございます。

細胞診でLSIL、コルポ後の出血は子宮頸癌によるものか?LSILはどのくらい頸癌の可能性があるのかという旨のご相談ですね。


LSILとはHPV感染病変を疑う軽度の変化であり、koilocytosis は HPV感染による細胞変性と考えられます。

LSIL自体は殆どが自然に消退してしまうので治療対象ではないのですが、実はその中には治療を必要とするHSILなどの高度病変が 20~30%の頻度で併存している事があるため、精密検査の対象となります。


つまり、分かりづらいかもしれませんが、間違いなくLSILであれば問題ないのですが、HSILやそれ以上の病変がないかを調べるために精密検査を行なっているという事になります。


おそらくLSILと診断された皆さんが心配されているのが、子宮の摘出が必要かどうかとか、癌の転移があるのかとか、進行した子宮頸癌があるかどうかだと思うのですが、細胞診がLSILと診断された人で、子宮摘出以上の手術が必要だったり、他の臓器に転移していありするような状況はまずありません。


皆さん健診などでLSILと診断されると、色々調べて、進行癌なのではないかととても不安な面持ちで精密検査にいらっしゃいますが、精密検査をした結果、経過観察や、将来的に手術をしたとしても蒸散術や円錐切除など、子宮を温存する手術のみにとどまる人がほとんどです(閉経後や年齢が高い人はまた話が変わってきますがここでは割愛します)。


もちろん今回のコルポスコピーの検査結果が出ないとなんとも言えませんが、あまり不安に考えずにゆっくり過ごしていただいたほうがよいでしょう。

LSILの検査結果を不安な面持ちで持参した方には、精密検査の際に、『あまり心配されなくて大丈夫ですよ、そのかわり経過観察になったら、定期的にきちんとみていきましょうね』と私は話してしまっているくらいです。


よっね、出血は少なくともLSILによるものとは考えにくいです。


ちなみに、タバコはリスクになるので吸わないでくださいね。


少しでも不安な気持ちが楽になれば幸いです。

また何かご不安なことがありましたらいつでもご相談くださいね。

3

2023年05月31日 21時42分


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YouTuber、産婦人科専門医、指導医、がん治療認定医、性教育認定講師です。生理、更年期、癌、セックス、婦人科形成手術、なんでもご相談ください。
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