指名:ドクターK@眼科医 先生

生後5ヶ月、鼻涙管閉塞について

10歳未満男性

いつも参考にさせていただいています。
生後5ヶ月の息子のことで相談があります。

産まれた頃から目やにが多く、生後1ヶ月の頃、現在も通う眼科さんで先天性の鼻涙管閉塞と思われる、と診断いただきました。

点眼で目ヤニを抑えつつ、毎日目から鼻にかけてのマッサージをしていくことを指導されており、経過を見るため2週間に1度通院しています。
生後4ヶ月の時には通水検査もし、鼻涙管閉塞で間違いないとのことでした。

今後もマッサージをして開通しない場合、身体が大きくなって全身麻酔が必要となってしまう前に紹介状を書いてもらい、他院でブジーをすることになっています。

そこで質問があります。

・恐らくブジーをするまでにまだ数ヶ月マッサージで様子を見ることになりそうですが、それまで何ヶ月も抗菌薬を点眼し続けて問題ないのでしょうか。
・ブジーは基本は1歳を過ぎると全身麻酔になると聞きました。ただ、息子は発達が早めで、上の娘と比べるとかなり力も強いため(男女差なのかもしれませんが…)、早めにブジーをしてしまわないと1歳前でも全身麻酔が必要になってしまうのではと心配です。その場合、ブジーができる病院を早めに紹介していただく必要はありそうでしょうか。それともまだ5ヶ月であれば、マッサージで様子を見るべきでしょうか。

以上です。

お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答いただければ幸いです。

回答済み

眼科

ご質問ありがとうございます。


今回は先天鼻涙管閉塞の治療方針の説明かと思いますので、公表されているガイドライン(https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0538/G0001405)をもとに説明させていただきます。


まず、抗菌薬の目薬ですが、これは長く使うと耐性菌という菌が増える恐れがあります。耐性菌のイメージは10個の細菌がいたとします。抗菌薬はそのうち7種くらいを殺しますが3種くらいの菌は生き残ります。その残った菌に全ての栄養が行くため、パワーアップして制御できなくなるそれが耐性菌のイメージと思って下さい。


耐性菌は抗菌薬の目薬を長く使っていると出てきますから、ガイドラインでも症状がなければ使用しなくても良いでしょう。としています。


2つ目ですが、これはガイドラインでもメリットデメリットが言われています。先天鼻涙管閉塞は1歳までに80〜95%は自然に治るとされています。しかし、早い方が局所麻酔での治療が可能になるというメリットもあります。以上から、外科的な治療をしなくても治るから待つか、局所麻酔で治療可能なうちに待つかという選択になります。


しかし、懸念されている通り、1歳になると体も大きくなり、局所麻酔では対処できません。そうなると、全身麻酔が必要になりますが、その管理ができる施設が限られていること、全身麻酔自体のリスクがあることがデメリットとしてあります。


最終的にはお子さんの状態を見ての判断になります。抗菌薬についても、治療時期についても主治医に相談されてから動かれると良いと思います。その際は専門病院への早めの紹介も尋ねてみると良いと思います。


以上となります。お役に立てれば幸いです。

お早い回答をいただき、ありがとうございます。ちょうど今朝が受診のタイミングだったため、助かりました。
先生のアドバイスに基づいて耐性菌についてや早期の紹介についても相談することができました。

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2023年06月06日 08時10分


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