指名:精神科医HANA 先生

強迫性障害について

20代女性

初めまして。

パートナーから、強迫性障害らしい症状がないか?と指摘されました。
これまで気にしたこともなかったのですが、強迫性障害について調べてみると、いくつか、おや?と思う症状がありました。
具体的には、以下の通りです。

・お風呂に毎日決まった絵を描いて消さないと出られない(幼少期の話で、解消済みです)
・家の鍵を閉めたか不安で10分位の道のりを戻ってしまう
・薬を毎日飲まないと具合が悪くなる気がして、症状がないのに毎日飲んでしまう
・ある服を着ると悪いことが起こる気がして、着られなくなる

ぱっと思い出せたものが上記のとおりで、他にもパートナーに聞いてみたら該当する症状があるかもしれません。
特にこれまで生活していて大きな支障はなかったので、放置していました。
精神科等を受診したほうが良いのでしょうか?
アドバイスいただけましたら幸いです。

回答済み

精神科

ご質問ありがとうございます!精神科医HANAと申します!

相談者様が気になる症状として記載列挙頂いたものは、確かに強迫性障害の可能性を示唆するものではありますが、それだけで判断することは大変難しいものとなります。

参考に、ICD10における強迫性障害の診断基準(一部改変、抜粋)を掲載しておきます。


"強迫症状あるいは強迫行為、あるいはその両方が少なくとも2週間連続してほとんど毎日存在し、⭐︎生活する上での苦痛か妨げの原因でなければならない。⭐︎

強迫症状は以下の特徴を持っているべきである。

a)強迫症状は患者自身の思考あるいは衝動として認識されなければならない。

b)抵抗しなくなったものが他にあるとしても、患者が依然として抵抗する思考あるいは行為が少なくとも1つなければならない。

c)思考あるいは行為の遂行は、それ自体楽しいものであってはならない。

d)思考、表象あるいは衝動は、不快で反復性でなければならない。"


この診断基準で最も大事なことは、⭐︎マークで囲んだ

「その症状によって人間関係含めた社会生活に支障が出ている、あるいは苦痛を感じている」

ことです。

特に今の状態が社会生活に問題なく苦痛でなければ、それは病気とはいえません。

定量化の難しい精神科領域の病気の考え方は、病気とそうじゃないことの線引きとしてはほとんどの場合それが基準となります。

症状が存在することでなんらかの悩みや苦痛、生活を送る上での障害があるのであれば、それは病気である可能性があるため、精神科受診をお勧め致します。

相談者様のご心配が少しでも解決されることをお祈りしております☺️



ご提示いただいた診断基準と一部合致する症状もありますが、あまり苦痛に感じていないので、ひとまず様子を見ようと思います。
パートナーに説明するにあたり、苦痛に感じているかどうかが一番大事、ということを明示いただいたこと、大変助かりました。
早速のご回答、ありがとうございました。

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2023年06月12日 22時43分


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精神科指導医、公認心理師、産業医などの資格あり。得意分野は薬物療法、老年精神医学(共に関連学会の専門医資格あり)ですが、精神科一般の幅広いご相談にお答えできればと思っています。普段は医師の悩み相談も行っています。ツイッター歴はまだ短いですがよろしくお願いします。

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