指名:どっと@小児科医 先生

ペットのアレルギーについて

10歳未満男性

こんにちは、いつも拝見させて頂いてます。
6歳の娘のアレルギーについて相談させてください。

娘は1年ほど前まで夜間の鼻詰まりで眠りが浅く、IgE抗体検査でダニ、イヌ、ネコとアレルギーの診断を受けています。それから家の中を極力清潔に保ち、実家のペットもなるべく避けるなどし、以前と比べそこまで症状は出ていません。

そんな中、近頃娘からペットを飼いたいとの希望が出てきました。イヌ、ネコは難しいと本人、私共に理解しているのですが、ペットは命の大切さを学んでくれることにも繋がると考え、ハムスターなどはどうだろうと検討しています。

こういう場合ではどうすべきでしょうか?1年前の検査ではハムスターの項目はありませんでしたが、もう一度抗体検査を受けるのが望ましい、そもそもペットは避けるべきなど、どっと先生のご意見頂けますと幸いです。

回答済み

小児科

こんにちは。ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。

ダニやイヌ、ネコなどにアレルギーをお持ちの6歳のお子さんから、ペットを飼いたいと言われた場合に、ハムスターなど今までにアレルギーが判明していない動物ならどうかというご相談ですね。

ペットのアレルギーはとても悩ましい問題ですよね。アレルギー疾患としては悪くなってしまうかもしれないと思いつつも、ペットが一緒にいることによるメリットも少なからず感じられることと思います。


まず、アレルギー疾患をお持ちの方のペットに関するご質問は、アレルギーポータル(https://allergyportal.jp/)という日本アレルギー学会と厚生労働省で運営されているアレルギーの情報サイトが最も適切な印象がありますので、参考になりそうなものを一部流用して提示させていただきます。


・こどもがイヌアレルギーですが、イヌを飼えますか?

→ ペットの抗原は家の隅にいても、家中に広がってしまうと知られているため、アレルギー疾患の悪化につながることから、避けた方が良いでしょう。


・ペットを飼うとアレルギーになりやすいですか?

→ 毛のあるペットを新しく飼うことで、アレルギー症状が出てきてしまうことは十分予想されます。これまでにアレルギーのなかった動物であっても、新たに感作され、アレルギー症状が出てしまう可能性はあるため、家族にアレルギー疾患をお持ちの方がいる場合には、イヌやネコ、ハムスターなど毛のあるペットの飼育は避けたほうが良いでしょう。


このように、ハムスターも含めて、毛のあるペットを新たに飼われることはアレルギーという側面ではやはりおすすめはしにくいです。


私が外来で同じような相談をされた際には、上記のことをコメントした上で、いくつか私の中で考えられるパターンをお伝えし、ご家族の中で相談していただいています。


① 毛のないペットを飼う

→ アレルギーという側面では、カメやトカゲなどの爬虫類や熱帯魚など毛のないペットであれば、比較的飼いやすいと思います。


② アイボなどのロボットペットを飼う

→ それなりに金額もかかりますが、一つの選択肢としては考えられるものだと思います。


③ 症状が出てしまうリスクを十分把握した上で飼う

→ どうしても強い希望があり、ご家族全体として新たにペットを迎えたいという気持ちも仕方がない部分はあると思います。十分にリスクを把握した上で、アレルギーになりにくい生活とアレルギーになった場合にどうするかをよく考えてから迎えていただくというのも一つのパターンだと思います。


*アレルギーになりにくい生活

一般的に接触時間が長く、ペットが活動する範囲が広い(寝室にも入るなど)場合は、アレルギーを発症しやすいと考えます。また、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎の管理が不十分な場合も、発症リスクは上がるものと予想されます。

そのため、例えば室外犬として飼う、室内でも部屋をしっかり区別して、メインの生活空間に入れないようにしておく、衣類の付着を減らすためにペットと接触したあとになるべくコロコロをかける、こまめに掃除機をかけるなどの手段は大切です。また、今持っているアレルギー疾患をしっかり治療することも大切です。例えば、ダニによる通年性アレルギー性鼻炎がある場合には、舌下免疫療法などを行うことも有用です。


*アレルギーになった場合にどうするか

頑張って予防していてもアレルギーになってしまうことは十分にありえます。その場合には、アレルギー疾患の治療強化はもちろん、場合によってはご実家に預けるなど環境調整ができるかということも考えておく必要があると思います。

小児期はアレルギー疾患の治療としても、大人に比べて限界があることも事実です。抗アレルギー薬をたくさん使用することで眠くなってしまったり、喘息の治療や喘息そのものによって身長が少し伸びにくくなってしまう可能性も否定はできません。

このようなリスクがあることは理解しておく必要があります。


上記を頭にいれつつ、もう少し成長するまで様子をみていくということも一つの方法だと思います。


とても悩ましいことだと思いますが、お子さんが自分自身の体や気持ちとどう向き合っていくか、ご家族の中でしっかり相談する時間を作れるかなど、成長していく上ではとても貴重なタイミングの一つだと思います。

もちろん必要に応じて、かかりつけの先生ともご相談いただければと思います。


長文となり、申し訳ありませんが、ご参考になりましたら幸いです。

すごい丁寧な回答を頂けて感動しました。頂いた内容からまずは娘ともう一度話し合ってみます。その上で落とし所を探してみます。ありがとうございました!

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2023年06月17日 15時24分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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