指名:相川晴(HAL) 先生

粉ミルク以外の食品のサカザキ菌の存在について

10歳未満男性

現在5ヶ月の子供の離乳食が始まり、いつも先生の書籍、ツイッターやインスタグラムを大変参考にさせていただいております。

離乳食を作るにあたり、タイトルの通りサカザキ菌の存在の有無が大変気になっております。
サカザキ菌について調べますと、行政のHPには「自然界やトウモロコシ、キュウリ、レモンといった果実・野菜からも検出されることがあります。」との記載があります。
粉ミルクはお湯で溶かすのは勿論のことですが、バナナ等の果物や、きな粉や青のりやすりごまといった製造工程で加熱されているような非加熱でも食べられるとされている粉類は、サカザキ菌の汚染リスクは低いと考え、そこまで大きな心配をしなくてもよろしいのでしょうか。

お忙しいところ大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

回答済み

一般内科

ご質問ありがとうございます。


粉ミルク以外のサカザキ菌について、どのように考えたらよいかというご質問ですね。

大変よく調べられていると思います。サカザキ菌はさまざまなものから検出されており、また乾燥にも強いので、質問者さまが上記に書かれているものや粉ミルク以外にも、ハーブティーや乾燥野菜等々いろいろなものから検出されるようです。

が、乳児のサカザキ菌の感染症に関与しているのは、粉ミルクだけです(どこに書かれていたか失念してしまったのですが、原因物質がわからないものもあったので、「原因としてはっきりしているのは粉ミルクだけ」と思ってください)


汚染されているのになぜ感染を起こしていないか、おそらくなのですが、サカザキ菌による感染が怖いのは乳児、特に2ヶ月未満、早産児、免疫不全などです。おそらく離乳食を食べる月齢の頃にはリスクが低くなっている&喫食する際に口にする菌の量が少ない等々で発症が抑えられているのではないかなと思います。


粉類に関しては、製造や調理の段階で汚染されることが考えられるため、それ自体が加熱済みの状態でも汚染されている可能性があるんですよね(レトルトや瓶の製品はそれごと加熱されているので、液体ミルク同様、汚染の可能性はないと思います)

ただ、これまできなこや青のりは(加熱することもあると思いますが)、加熱することなく離乳食で食べさせてきて問題が起きていないことを考えますと、あまり気にしなくて良いのではと考えています。


そして、サカザキ菌以外にもさまざまな食中毒を起こす病原体がありますので、離乳食の調理の時は手を洗い、生で食べるものはしっかり洗い、加熱するものはしっかり加熱して……等々の一般的な食中毒対策をすれば十分なのではないかと思います。


以上になります。

SNS等たくさん見てくださってありがとうございます!

少しでも参考になれば幸いです。


注:粉ミルクに関しては、誤った情報が流れるのは危険と考えておりますので、離乳食が始まってもしっかり70度以上の調乳をお勧めしています。


参考

https://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/H21_9.pdf

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/050615-1.html

https://idsc.niid.go.jp/iasr/29/342/dj3426.html

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/attach/pdf/hazard_microbio-22.pdf

https://www.cdc.gov/cronobacter/infection-and-infants.html

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2013/134031/201327008A_upload/201327008A0006.pdf

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2023年06月21日 00時03分


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