指名:皮膚科医ちゃん 先生

アトピー性皮膚炎とプロアクティブ療法

10歳未満女性

いつも発信ありがとうございます。
現在1歳半になる娘についてです。

生後2ヶ月から夜の掻きむしりが気になり、以降ロコイドを使用しています。
場所は顔や陰部以外全身で、数日空ける日もありますが、ほぼ毎日塗っています。

しっかりと治して保湿のみに切り替えたい気持ちがありますが、塗るのをやめると数日で鳥皮のような乾燥したぷつぷつ、赤み、夜中掻きむしりが現れ、1週間以上ロコイドを塗らずに過ごした時がありません。

一度小児科でリンデロンVを処方してもらい、朝夕2週間使用しましたが、やはりリンデロンをやめると5日めには掻きむしりで肌に傷を作ってしまいました。(添付は4日めの写真です)

小児科では乳児湿疹はよくあること、ロコイドは弱い薬なので、定期的に塗らない日があれば毎日塗っても大丈夫と言われ安心していました。
しかし最近、乳児湿疹のほとんどが1歳までに消失し、1歳を過ぎても続けば難治性のアトピーである可能性が高いことを知り、ショックを受けました。

そこで質問ですが、1歳以降にアトピーの悩みをもつ乳幼児の場合、一般的にどのような経過を辿るのでしょうか。年齢とともに軽快する可能性はまだ期待できるのでしょうか。
娘が生涯ステロイドが手放せず、副作用に悩むことになるのではないかと不安です。

かかりつけに相談すべきことと承知の上ですが、恥ずかしながら皮膚科外来ではうまく質問できず、また今後のケアも「ロコイドとコレクチムを交互に塗り、また困ったらきてください」とのことでしたので、長期的な治療ビジョンは相談できていません。

不安が先行した質問で申し訳ありません。皮膚科で「肌状態が良好なのに保湿で維持できないのは何故だろう」と言われ、娘の状態が良いのか悪いのかよく分からなくなってしまいました。

『小児のアトピー』で調べても、1歳までは軽快するといった情報や、逆に重症例のこと、あとは怪しげな治療法などの情報ばかり目に入り、これからどうなってしまうのか、長期使用による不可逆的な副作用は避けられないのではないかと心配です。
よろしくお願いします。

回答済み

小児科,皮膚科

ご質問いただきありがとうございます。

いろいろと不安に感じられていると思います。お母さまもお子様のことを考えるあまり、色々と感じますよね。

ここですべてが解決できるとはいかないと思いますが、私のできる範囲で答えさせていただきますね。


まず、アトピー性皮膚炎の最終的な診断は難しく、ある程度同じ医師が経過を追って診察しなければなかなか簡単に診断できません。

特に乳幼児では色々と肌のトラブルが起きやすくデリケートであるため、すぐに病名を決めつけることが必ずしも大切ではなく、慎重に丁寧にそのお子さんに合った治療法を見つけることが大切です。そしてスキンケアにはとても根気が必要です。


ですので、現在の肌炎症の状態で、主治医の判断としてロコイドやコレクチムが必要なのであれば、その外用治療が必要な状態なんだと思います。ですので、無理に外用薬を減らす必要はなく、主治医と相談のうえ、症状に合わせて外用回数を減らせるときに減らしていくのがよいと思います。

ご相談いただいた1歳以降の経過ですが、症状が落ち着く、治癒するケースももちろんあります。ただ、一部の患者さんはアレルギー性鼻炎や食物アレルギーなど合併するアレルギーマーチと呼ばれるような状態に移行します。ただ、これに関しても適切なスキンケアで予防したり、湿疹が出た場合に早期に治療をすることで他のアレルギーへの移行が防げるという文献もでています。なので、過度に今後のことを心配しすぎるのではなく、目の前のお子さんのスキンケア、治療を優先して自然に治癒していく群に入ることを目標にするという気持ちで構えていても良いでしょう。


また、今後もアトピー性皮膚炎が続き、成人になってもアトピー性皮膚炎が持続した場合ですが、これに関しても適切な治療を行えば、生活に支障がないような肌状態にもっていくことができますし、今はいろいろな外用薬、内服薬も出ていますので、その都度主治医と相談して適切に対処すると良いと思います。

生涯ステロイドが手放せず、副作用に悩むのではないか?という記載もいただいておりましたが、現在はステロイド系統ではない外用薬も様々発売されておりますし、ステロイド外用薬自体副作用は全身的副作用はほとんどなく、もとに戻りうる副作用(皮膚が薄くなる・毛が濃くなる・にきびなど)が大半です。ですので、ステロイド外用自体、過度に怖がる必要もないと思います。


以上になりますが、ご質問者さまはいろいろと不安が多く、一部は「わからない」という点から来ている不安が多い印象を受けました。

まずはアトピー性皮膚炎やスキンケアについて知っていただきたいなと思います。そうすると安心できることも多いのかなと。

ほむほむ先生(堀向健太先生)の「子供のアトピー性皮膚炎のケア」という本をぜひ読んでみてください。きっと色々な疑問が解消されると思いますよ。

お忙しいなかご回答ありがとうございます。
落ち着いて、今後の状況を見ながら皮膚科の先生に相談していきたいと思います。
ほむほむ先生の書籍も購入しました。
今後も情報を参考にしていきます。
ありがとうございました。

0

2023年06月20日 11時46分


参考になりましたか?
ハートを贈り皮膚科医ちゃん先生を
サポートしよう!

皮膚科専門医、1児の母でもあります。

わかりやすく丁寧な回答を心がけます。お力になれば幸いです。

相談一覧