指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

くるみアレルギーの除去について

10歳未満男性

先日、3歳の息子がくるみのお菓子を食べた後、気分が悪いことを訴えてその後太腿を中心に蕁麻疹を発症。機嫌が悪かったりぐったりするような症状はないものの、咳が出るようになったためアレルギーと判断して病院に電話、日曜夜だったこともあり大学病院の救急外来を受診しました。

結果、アナフィラキシーではないものの、くるみアレルギーと診断されました。

診断医から今後くるみは避けるように言われたので、幼稚園にもくるみが入った給食を避けたい旨を相談したのですが、明らかにくるみを使った料理は別としてドレッシングなどに入っている可能性もなくはないので、細かいものを含めた完全除去はできないとのことでした。

そのため家族とは今後弁当持参も検討していますが、負担もさることながら給食が大好きな子なので悩んでいます。なお春に幼稚園に通い出してからこれまで、給食でアレルギーを起こしたことはありません。

アナフィラキシーを起こしたわけではないアレルギーでも完全除去を目指すべきなのでしょうか。
また、今後アレルギーが重症化してアナフィラキシーを起こすような可能性はどれくらいあるのでしょうか。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。くるみアレルギーの除去について、3歳のお子さん、「先日くるみのお菓子を食べて嘔気、大腿にじんましん、咳などが出現し救急外来へ、くるみアレルギーと診断され今後くるみを避けるよう指導、園で除去となるとドレッシングなどまでは把握出来ないと言われた、完全除去すべき?今後重症化することはある?」というご質問でした。

現在の食物アレルギーの管理は「必要最小限の除去」、つまり食物アレルギーだとしても「安全に食べられる量は食べても良い」、むしろ食べておく、という管理となっております。例えば、卵白をスプーン3口は食べれられていたけど、4口食べたらアレルギー症状が出た、それなら余裕持たせてスプーン1口くらいは食べていても良いですよというような管理です。

お子さんの場合、過去に安全に食べられていたくるみの量がわかっていればそれは続けても良いということになりますが、それがわからない場合はどうしても完全除去にならざるを得ません。仮に、先日食べたお菓子のくるみの量が多かった場合には、検査結果なども踏まえつつ主治医の先生と相談の上、微量のくるみが食べられるかどうかの判定のため食物経口負荷試験を実施することもあります。

また、園での給食の管理の指針としては、基本的には「完全除去」か「解除」の2択になります。「部分除去」などはあくまで園の余裕があれば可能というような扱いとなっております。ただ、ドレッシングや少し混ざっている程度のくるみであれば問題無く食べられるということがわかっていれば、くるみを使った料理だけの除去の対応でいけることもあります。

お子さんのくるみアレルギーが今後重症化するかどうかはわかりません。少し食べられるお子さんであれば、その少しを食べ続けることで、悪化しない、むしろ改善方向に向いていく可能性もありますが、完全除去の場合はどちらになっていくのかはわかりません。くるみの場合はより症状に関連した成分の検査(コンポーネント検査)の結果の参考になるかも知れません。

いずれにしても、安全に食べられる量が不明であれば完全除去にせざるを得ません。「アレルギー症状が起きた時のくるみの摂取量」「過去に食べられていたくるみの量」「アレルギー症状の強さ」などにより、対応が決まりますので、ぜひ主治医の先生とご相談ください。

回答ありがとうございました。
大変参考になりました。とりあえず病院に行って相談してみることにします。

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2023年06月23日 12時24分


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