指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

手荒れによる食物アレルギーの心配

10歳未満女性

こんにちは。
いつもTwitterで情報を発信してくださりありがとうございます。
おかげで卵黄による消化管アレルギーに気付けました。感謝しています。
(専門医による診断済みで、1歳半に負荷試験を行う予定です)

本題なのですが、1歳2ヶ月の子供の皮膚の荒れについて皮膚科へ通院しているものの、ましになったかと思えば掻きむしったりガサガサになったりを繰り返し1年ほどプロペトやヒルロイドを朝晩塗る生活をしています。
アトピー体質ではあると医師に言われました。
その中で赤みとかさつきによる手荒れが気になるのですが、手を舐めるためあまり薬を塗れていない状況です。(夜に子が寝た後に塗っています)
離乳食を手掴みで食べたがるのですが、肌が荒れている状態では皮膚に良くないのでしょうか。そして今後アレルギーになってしまう可能性は高まりますでしょうか。
手掴みを減らす方が良い等対策ありましたらご教授お願いします。

お忙しい中恐れ入りますがご回答よろしくお願いします。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。手荒れによる食物アレルギーの心配、1歳のお子さん、「湿疹を繰り返し皮膚科通院中、アトピー体質と言われている、手荒れがあるが手を舐めるためあまり薬を塗れていない(寝た後に塗布)、離乳食を手掴みで食べるが皮膚に良くないのか?食物アレルギーになってしまう可能性は高まるか?」というご質問でした。

卵黄の消化管アレルギーの情報、お役に立てて良かったです。少しでも早く治ること、願ってます。

手湿疹についてですが、もともと手湿疹自体は他の部位の湿疹より治り難いことが多く、頻繁にこする・舐める・掻くようであるとさらに治り難く、塗布剤も取れやすく・塗り難く、そういう意味でも治り難かと思いますし、手で触ることで手に付着すること自体は刺激にはなるかとは思います。ただ、手づかみ食べは、お子さんの発達には重要かと思われますし、手づかみ食べの方がよく食べるお子さんも少なくありませんし、出来れば、このまま続けられると良いかとは思います。もちろん、かかりつけの皮膚科の先生からストップがかかるようでしたらご指示にお従いください。手湿疹の治療の強化、例えばステロイド外用剤のランクを上げる、なにかで保護する、などについてもかかりつけの先生にご相談されると良いかと思います。

また、手づかみ食べが食物アレルギーの発症のリスクになる可能性についてですが、確かに湿疹部にアレルゲンが付着して抗体を作ること(=経皮感作)により食物アレルギーを発症するということはよく知られております。ただ、そのリスクは「お子さんの皮ふの状態」「お子さんのアレルギー体質」「アレルゲンの接触具合・接触頻度」「該当アレルゲンを食べているか」などによって、アレルギーになるかどうかは大きく異なるかと思われます。逆に言うと、皮ふの状態があまり良くなくても、食べる際に何も気を付けていなくても、食物アレルギーにならないお子さんもたくさん居ます。少なくとも、少し付いただけ、少し触っただけですぐに食物アレルギーになるということはないかと考えて頂いて良いかと思います。

食物アレルギーを発症しない(=予防)に関しては、手づかみ食べ自体を避けることよりも、「皮ふの状態をより良くしておく」「付着しそうな部位をワセリンで保護する」「付着したままで長時間おかない」などは重要かと思います。もう1点、食物アレルギーの発症に関して重要なことは、「食べ始めを遅らさない」「少量から継続的に食べ進めること」ですので、少しずつ食べ進めることで食物アレルギーを発症させないという可能性があると考えられておりますので、むしろ、手づかみ食べで保護などの対策や注意をしながら食べ進めていくことは、食物アレルギーの発症の予防になる可能性もあります。

個人的には、出来るだけ手湿疹の治療をしながら、ワセリンで保護しながら手づかみ食べで食べて、付着したものは食後に速やかに洗い流す、少しずつ食べ進める、というような方針にすることが多いです。お子さんの場合も、同様で良いのかどうか、かかりつけの皮膚科の先生に相談されると良いかと思います。

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2023年06月30日 13時26分


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