指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

食物アレルギーの防止について

10歳未満男性

いつもツイート参考にさせていただいております。

子どもはまだ離乳食前の月齢ですが、出来る限り食物アレルギーを防ぎたいと思い、現在は皮膚の保湿などを頑張っています。

細かな質問ばかりで申し訳ありませんが、いくつかお尋ねさせてください。

1.子どもの哺乳瓶を洗う際に使用してるボウル(洗剤のついた哺乳瓶を一時的に入れたりしてる)は、大人の食事の調理にも使用してる器です。
大人用の食事を作る時、生卵を割ったり牛乳を注ぐこともあります。
もちろん哺乳瓶を入れる前には、よく食器用洗剤で洗浄してから使用していますが、将来の食物アレルギーの発症リスクを高める可能性がある場合、ボウルの共用をやめるべきですか?

2.アレルギーを起こしやすい食材に大人が触れた後は、おむつ替えなど子どものお世話をする際、手をよく洗うべきですか?
たとえばパンやクッキーには卵・乳・小麦が含まれてますが、大人がそれらを食べたあと、手が一見汚れてなくても石鹸でよく洗うべきでしょうか?

3.子どもが毎日服用してるお薬(鉄剤シロップ)が冷蔵庫保管なので、冷蔵庫のドアポケットにいつも保管していますが、生卵のすぐ隣になります。
これは卵アレルギーの発症リスクを高めますでしょうか?

以上よろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。食物アレルギーの予防について、「まだ離乳食前、食物アレルギーを予防したい、皮膚の保湿などを頑張っている」、質問が3つあるとのことでした。


①哺乳瓶を洗う際に使用してるボウルは、大人の食事の調理にも使用している、生卵を割ったり牛乳を注ぐこともある、食器用洗剤で洗浄しているが食物アレルギーの発症リスクがあるのか?

②アレルギーを起こしやすい食材(パンやクッキーなど)に大人が触れた後は手をよく洗うべきか?

③毎日服用の薬(鉄剤シロップ)を冷蔵庫のドアポケットの生卵のすぐ隣に入れているが卵アレルギーの発症リスクはあるのか?


いずれも似たような回答になるので、3個まとめての回答となります。食物アレルギーの発症については、主に皮ふから(=荒れた皮ふや湿疹部分からアレルゲンが侵入して敵だと勘違いして抗体を作る)と考えられております。また、食べ進めることで該当アレルゲンが敵ではないと覚えていく別の免疫の機能がありますので、食物アレルギーの予防を考えると、「皮ふの状態を出来るだけ良好に保つ」「長くあるいは頻繁にアレルゲンが付着をするのを防ぐ」「少しずつ食べ進める」などが予防につながる可能性があります。

まずは、お子さんの皮ふへのアレルゲンの付着を考えてみると、①の質問に関しては、ボウルへのアレルゲンの付着は微量、ボウルは哺乳瓶の洗浄に使用するという状況で、赤ちゃんの皮ふへのアレルゲンの付着は哺乳瓶の外側を介してだけで、ほぼ無さそうかと考えられます。③についても、赤ちゃんに付着することはほぼ無さそうかと思います。②に関しては、そもそもの親御さんの手への付着具合とお子さんへの接触具合により異なりますが、通常の生活であれば、やはり微量かと思われます。気になるようでしたら手洗いされると良いですが、個人的には、予防のためにそのような指導はしておりません。

また、「手づかみ食べと経皮感作のご心配」についてのご質問の際にもよく書かせて頂いておりますが、「食事の際に赤ちゃんにアレルゲンが付着する」「親御さんの手に付いたアレルゲンが赤ちゃんに付着する」ことが主に食物アレルギーの発症に関わるという訳ではなくて、それ以上に環境中のアレルゲンの影響の方が強いのではないかと考えられます。実は、調理する際に、他の方が食べる際に、あるいは食事が体や服に付着して、ベッドルームを含め家庭全体にタンパク質が拡散されることがわかっております(ほむほむ先生の記事、「日本の家庭のハウスダスト中の卵蛋白質量は、ダニ蛋白量より多い」参照)。勘違いして欲しくないのは、では掃除を徹底的にしなければ・・・ということではなくて、想像以上に環境中にはアレルゲンは存在しますので、赤ちゃんへの少しのアレルゲン付着を気にされて対策し過ぎる必要はないのではないかという意味で書いております。通常レベルの手洗いやお掃除をして頂いて、「繰り返し長くアレルゲンが付着しそうな状況は避けて」(口や手に付きっぱなし、お菓子やパンくずが散らかる、アレルゲン配合の石鹸やシャンプーの使用、などを避ける)、「赤ちゃんの皮ふを良い状態に保つ」「少しずつ食べ進める」ことが重要かと思います。

今後の対応につきましては、以上を参考にして頂いて、かかりつけの先生、ご家族ともよくご相談ください。

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2023年07月06日 15時04分


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