高齢者のベンゾジアゼピン系睡眠薬長期服用について
70代女性
かかりつけ内科で睡眠薬を処方してもらっている母(75)のことで相談です
60歳頃から眠れなくなり、通いのクリニックでエチゾラム1mgを就寝前1錠処方、4〜5年前から0.5mgに減らしましたが、エチゾラム服用はずっと続いています
近頃また早朝(中途?)覚醒が酷くなり辛いようです
夜22時頃就寝、0時〜1時頃一度トイレに起き、5〜6時頃に起床だったのですが、近頃は深夜トイレに起きたらもう眠れなかったり、うとうとできても3時台には目が覚めてしまいそのまま朝になってるそうです
膝や腰、目が悪いので、あまり外出や運動はせず家の中で過ごし、日中に30分〜1時間くらい昼寝をしています
高齢者の多剤服用やベンゾジアゼピン系薬剤長期服用が問題となっていますが、母も当てはまるのではないかと心配になり調べてみると、ベンゾジアゼピン系薬剤は認知機能に悪影響を及ぼすとか、いや指示通り用法用量を守って飲んでいれば安全であるとか、様々出てきます。高齢になると薬を分解・排泄する能力が落ちるというのはその通りだと心配です
母は今のところ認知機能に問題はなく、お世話になっているクリニックには母一人で長年通院しています
この先生は薬は患者の希望に沿った処方をされる感じで、1mg→0.5mgにしたときも母からの申し出(元を正せば私が「半分に減らせるならそうしてもらえば?」とアドバイス)でした
母本人は、特に睡眠薬長期服用の不安というのは感じていない、というより問題点や弊害があること自体認識していません。私自身情報が不確かで不安気味なので、あえて知らせて混乱させたくないです
質問ですが
もう10年以上も睡眠前に1錠服用を続けていますが、問題ないでしょうか?
このまま服用を続けていても大丈夫なのでしょうか?
そして、早朝覚醒が悪化して辛いようなら、また1mgに増量してもよいのでしょうか?年齢を考えると転倒等のリスクが高すぎるので増量を避けるべきでしょうか?
また、現在母の不眠の悩みは「早い時間に目が覚めて、それから眠れない」ですが、エチゾラムは短時間型睡眠剤で入眠困難に効くけど早朝覚醒には長時間型とのことで、薬の変更をお願いするべきでしょうか?
専門の精神科を受診すべきかもしれませんが、母には少々ハードルが高いようです
長文すみません、よろしくお願いします
回答済み
ご指名ありがとうございます😊
お母様の不眠、心配なことと存じます。
まず、緑内障をお持ちとのことで、エチゾラムは閉塞隅角緑内障の場合眼圧を上げる可能性があるため禁忌となりますので、緑内障が閉塞隅角緑内障かどうかをご確認下さい。
また、不眠の治療としては、最も優先すべきは生活リズムの構築です。特にお昼寝が夜間不眠の原因となることはかなり多いので、お昼寝をなくした生活を送ることが不眠の改善につながることがあるでしょう。
本題ですが、薬を何mgに減らした方がいい、〇〇に変えたほうがいいという話になると診療行為になってしまいますので、ここでは薬についての私の基本的な考え方についてお話しますね☺️
そもそも、薬はあくまで穏やかに生活するための手段です。薬を調整することが目的で使ってるのではありません。こちらは、結構薬を減らす修行をしている人が多いため、色々な人にそう伝えています。
穏やかに生活をおくるために薬が必要なのであれば、基準を超えた量でなければ手段として使うことは私は良いのではと考えます。無理に減らして生活が穏やかに送れないのであれば、本末転倒であると考えます。
増量、減薬については主治医に相談して、現段階で現行量で穏やかな生活が送れていないのであれば、穏やかな生活を送るための手段としての薬の調整をお願いすると良いかもしれません。
しかし、高齢になると睡眠時間も必然的に短くなるため、睡眠については睡眠時間というよりは朝スッキリ起きれているかどうかで判断すると良いでしょう。
今回の焦点となるベンゾジアゼピン系薬(BZ薬)は、一般的に、筋弛緩や鎮静、脱抑制や依存形成の観点から漫然投与は避けるべきであると考えられています。そのため、症状が問題ないのに多量に飲み続けるのは避けるべきでしょう。
ただ、私の考えは、それを使用することで生活が安定しておれば、常識的な範囲内の量であればリスクを考慮しつつ使用してよいのではと思っています。続けて問題あるかないか、というところについては、一概にはいえませんが、主治医と相談しながら必要があれば継続、という形ですすめるのがよいと考えます。BZ薬に限らず、薬にはどんな薬でも必ずリスクが伴いますので、そこは主治医の先生とよく相談することをおすすめ致します。
BZ薬の認知機能へ影響は悪い、関係ないなど諸説あります。また、不眠が続くと認知機能低下をきたす可能性があるとも言われており、そういった観点からは薬を使用し不眠を改善する方が良いのかもしれません。
薬の種類や調整については、主治医へ相談するのが良いでしょう。また、餅は餅屋ですので、薬の調整が困難であれば、ハードル高いとはいえ豊富な治療選択と綿密な調整が可能な、不眠の専門家である精神科への受診をおすすめ致します。
お母様がより良い方向へ進まれることをお祈りしております。
2023年08月10日 11時39分