出産後のピルやディナゲスト服用について

30代女性

現在0歳の子どもを母乳育児中です。

妊娠前生理痛が重く、軽度の子宮内膜症の所見もあったため、ディナゲストを数年間服用してました。

生理痛軽減と当面は子どもを望んでいないので、またディナゲストもしくはピルを服用したいと思っています。

お手数ですがいくつか教えてください。

1.まだ生理が再開していませんが、ディナゲストやピルは今後生理が再開しても、断乳していないと服用できないものですか?

2.ディナゲストとピルにはどんな違いがありますか?
最初は婦人科でピル(プラノバール)を勧められたものの動悸や冷や汗が出てしまい、そのため不正出血等の副作用も一切なかったディナゲストを服用していました。
ちなみに生理日移動のため処方されたノアルテンは問題なく飲めました。

3.ミレーナについても気になります。30代前半ですがミレーナはどんな女性にオススメですか?
何となく挿入するとき痛い、しばらく不正出血するみたいなイメージがあります…。

よろしくお願いいたします。

回答済み

産婦人科


ご質問ありがとうございます。


現在0歳のお子様がいて、授乳中、今後の避妊や月経痛改善のためにピルやジエノゲスト、ミレーナなどについての選択をどうすればいいか、授乳はやめたほうがいいのかというご相談ですね。


まず、ピルに関しては授乳中であっても産後半年以上経過していれば内服可能です。

ただしこれは世界保健機関の、避妊法使用に関する医学的適用基準(WHOMEC)によるもので日本のガイドラインでは授乳中は使用しない事となっています。


ただし有益性投与ということで、月経困難症や過多月経がある場合に、授乳中でも処方する事は多々あります。


ご心配であれば断乳する方がいいかもしれませんし、医師によっては断乳しないと処方してくれないかもしれません。


ジエノゲストは授乳中は避けた方が望ましいとはなっていますが、禁忌ではありませんので、ピルと同じように有益性投与になるでしょう。


ミレーナに関しては、授乳中の場合には第一選択としないこと、との記載がありますが、こちらも有益性投与になります。


つまりどの治療薬にとっても有益性投与である事は変わりはないのです。

どれに関しても心配だったら断乳するのがいいでしょう。


ピルとジエノゲストの違いは、簡単に言うとピルはエストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンの薬で、ジエノゲストはプロゲステロンのみの薬です。ミレーナもプロゲステロンのみです。


エストロゲンは血栓症の原因になる可能性がありますが、ジエノゲストとミレーナはエストロゲンを含有しないので血栓リスクがありません。

またエストロゲンを含有することによる吐き気などもない人が多いです。

内服薬が苦手とかホルモン薬の内服に抵抗がある人はミレーナがいいでしょう。


ミレーナは排卵を抑制しないので、PMSなども一緒に治療したい人はあまり向きません。

PMSの症状にはほとんど効果がありません。あるという人もいますが。


挿入に関しては子宮の向きなどにもよりますが、数分で終わりますし、痛みが強すぎて途中で挿入を断念したという方は少なくとも私は経験がありません。


処置前に鎮痛剤を服用するとより安心かもしれません。


一度挿入すると5年効果が持続するので、痛みが怖くて選択肢から外れるのは勿体無いくらいのとてもいい選択肢です。


色々相談して選択しますので是非産婦人科で相談してみてくださいね。

ちなみに不正出血はどの選択肢でも起こりうる可能性があります。

それぞれ対処法もあります。


以上ご参考になれば幸いです。

また何かありましたらいつでもご相談くださいね。

3

2023年07月30日 01時01分


参考になりましたか?
ハートを贈り高橋怜奈/産婦人科医YouTuber先生を
サポートしよう!

YouTuber、産婦人科専門医、指導医、がん治療認定医、性教育認定講師です。生理、更年期、癌、セックス、婦人科形成手術、なんでもご相談ください。
【質問時】婦人科検診歴(子宮頸癌検診、エコー、性感染症などの時期と結果)、現在の使用薬の種類、量をご記載下さい。

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCVR9XnYBIQ4OlGmFPUNGGVQ

相談一覧