指名:皮膚科医ちゃん 先生

手術で除去した嚢腫が有棘細胞癌。紹介先の病院で聞いておくべきこと。また、病理診断報告書の内容について

30代男性

カメラ

※添付画像は投稿者ご本人と医師のみ参照可能です

大腿部嚢腫の切開手術をしましたが、病理診断に出したら有棘細胞癌ということが判明しました。
手術をした皮膚科では、手術でとりきれているはずなので、同じようなものができたらまた受診してください、で終了してしまいました。
後日不安になり、総合病院への紹介状を書いてもらって、受診予定なのですが、その時に確認した方がよいことなどありましたら、教えてください。
紹介先では検査をしてもらうことになっているのですが、先方の病院で今回の検査だけで終了してしまう可能性もなくはありませんが、定期的に検査で診てもらった方がよいのでしょうか。

また、病理診断報告書を渡されたのですが、詳しい説明はなかったので、どのような内容なのか教えていただければと存じます。

病理診断報告書の内容を画像で添付いたします。よろしくお願いいたします。

回答済み

皮膚科

ご質問いただきありがとうございます。

大腿部の粉瘤を疑う腫瘍を摘出したところ、病理診断が有棘細胞癌であったとのこと、大変ご心配かと思います。


かなり踏み込んだ内容になり、また切除前の臨床像や背景がわからないこともありますので、ご質問内容に関してできる範囲での回答になりますが、お答えさせていただきます。


お調べになっているかと思いますが、一般的に皮膚の有棘細胞癌は通常は高齢の方の顔面や四肢に多い癌でして、日光角化症という前癌病変や瘢痕(長年の傷跡など)から発生することもある癌です。経時的に拡大し、リンパに転移することもあります。

通常治療は、切除可能であれば、有棘細胞癌では癌から数センチ離して切除手術を行うのが基本となります。転移がある場合や切除不可能な場合には放射線治療や抗がん剤が行われます。


今回ご質問者様は30代とのことで、腫瘍の見た目も有棘細胞癌をまず疑うというものではなかったのでは?と予想されます。基本的にはかなり稀な例かと思います。


ご質問内容に戻りますが、今回の病理診断結果で大きめの病院に紹介されるとのこと。その際の確認事項ですが、基本的に通常であれば、紹介先で手術創の確認、再度病理所見の検討、画像検査(CTなどで転移をみます)などが行われるはずです。有棘細胞癌であれば、基本的に今後もフォローが必要ですので、例え腫瘍が取りきれていたとしても、定期受診があると思います。ご質問者様が積極的に確認しなければならないというわけではなく、基本的は上記はルーチンで行うと思いますので、受診時に気になったことや今後の方針、診断についてわからないことや納得しにくいと感じたことを聞いていただければと思います。前医での病理所見についてですが、手術前の臨床像や背景(いつ頃からあったのか、もともと傷のようなものがあったのかなど)がわからないこともあり、私からお答えしづらい面もあり、こちらに関しても紹介先で、詳しく聞いてみると良いと思います。


十分なお答えになっているよいのですが、このような回答になります。わからないことがあれば、気兼ねせず、紹介先の病院で聞いてみると良いですよ。またご質問点があれば、よろしくお願いします。


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2023年07月31日 14時17分


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皮膚科専門医、1児の母でもあります。

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