こどもの咳シロップ

10代男性

こども(10歳男子)に咳があるので薬局に小児用咳止めシロップを買いに行ったら、〜7歳まで/12歳(15歳)〜の2種類で、小学生が飲めるせきどめシロップがありませんでした。なぜこの中間層に咳止めシロップがないのでしょうか?

また、病院で風邪薬もらったはいいけど、夜間の咳がひどいので薬局の薬剤師さんに相談したら、病院の薬とは併用しないほうがいいと言われました。
その場合、うがいやトローチ・のどスプレーしか対処はないのでしょうか?
赤ちゃんの時はツロブテープ?という貼り薬処方されましたが、Twitterではあまり良くはないと聞きます。
実際、咳の緩和には何がいいのでしょうか?
教えて頂けたらと思います。

回答済み

小児科

こんにちは。ご相談いただき、誠にありがとうございます。

10歳のお子さんの咳止めシロップを市販薬で探していたが、7歳までのお薬と12歳以上のお薬の2種類しかなく、小学生が使用できる薬剤がなかったが、それはなぜなのか、また咳を和らげるためにはどうするべきなのかというご相談ですね。

夜間、特に寝ている間の咳は、睡眠の質を下げたり、途中で起きてしまう原因にもなりますし、周りで見ているご家族としてもご心配だと思います。なんとか少し症状を和らげることはできないかと思われる気持ちもよくわかります。

今回のご相談は2つの内容でしたので、それぞれについて私にわかる範囲内で回答させていただきます。


① 市販薬に小学生用の咳止めシロップがないのはなぜか。

まず、前提としてですが、市販薬の中でも小学生が服用可能なものは実際には販売はされているものと思います(薬局によって取り扱いは異なるものと思われます)。「咳止め」としてより、「風邪薬(総合感冒薬)」として販売されているもののほうが多いかもしれません。


ただ、10歳前後くらいの方は選択肢が少ないことも事実かもしれません。その理由としては、以下などが考えられます。

・シロップの量が多くなり過ぎてしまい、現実的に使用しにくい

・12歳以上と比較して、錠剤はまだ飲みにくい年代である

・咳止めとしてよく用いられる薬の中にそもそも12歳以上しか使用できないお薬(コデイン)がある。


実際には市販薬について詳しいわけではないので、考えられることを提示させていただきました。より詳細に確認する場合は、適宜薬局の薬剤師さんとご相談いただければと思います。


② 咳を和らげるにはどうすればよいか。

市販薬が使用しにくい場合に対応をどうするべきかということですが、実はそもそも市販の「咳止め」「風邪薬」は、以下の理由で小児科としてはあまり勧めていません。


・風邪による咳は自然に治るものであり、風邪薬の効果がそれほど高くはないこと

・処方薬と比較して、投与量が少なめになることが多いこと

・本来必要のない成分まで配合されていること(副作用のリスクも上がってしまう)

・気管支喘息やアレルギー性鼻炎など適切な治療が必要な病態が見逃されてしまう可能性があること


また、ツロブテロールテープやホクナリンテープなども、よく咳止めとして外来で処方されていますが、気管支拡張薬という基本的には「気管支喘息の治療薬」のため、風邪による咳には効果が期待できません。


また、その他のよく外来で処方される咳止めのお薬も、決して効果が高いものとはいえません(全く効果が示されていないというわけではありませんが、有効性は高いものではありません)。


私は咳が続いてしまっている場合には、可能であれば一度かかりつけさんで治療方針について相談いただき、自然に治る可能性が高そうな状態であれば、加湿、鼻水吸引、ハチミツ、ヴェポラップ®などの対症療法で経過をみていただくことをおすすめしています。鼻水がそれなりに出ている場合には、小学生では鼻うがいもやや有効な場合があります。


薬物療法を含めていずれの方法についても、研究は非常に少ないのが正直なところで、確実に〇〇が勧められるとは言い切れない状態です。

私はコストパフォーマンスと安全性のバランスから、寝る前にスプーン1杯程度のハチミツを舐めていただくか、お白湯に溶かして飲んでいただくのがイチオシです(ハチミツも風邪薬より有効という論文報告があります)


私の回答としては、上記となります。

ご参考になりましたら幸いです。

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2023年08月03日 15時28分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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