指名:相川晴(HAL) 先生

コロナは風邪派の夫への説明の仕方について

40代男性

HAL先生、いつも情報発信ありがとうございます。

ツイキュアでも以前、子どものワクチン接種のタイミングについて親身にご回答頂き、本当にありがとうございました。

お忙しい中申し訳ないのですが、今回も先生のお力をお借りしたく、ご相談させて下さい。

タイトルの通り、夫はコロナをただの風邪と信じています。ワクチンは接種してくれるのですが(5回接種済みです)、第7波で一度罹患した際に症状が軽く済んだこともあり、再感染への恐れもなく、もうマスクや手洗いもしてくれなくなりました…

私は再感染時の後遺症も怖いですし、子どもへの再感染も絶対させたくない気持ちなのですが、夫は感染者が多い今もマスクせず飲み会にも行きます。

コロナの感染対策の話になると険悪になるのでずっと避けてきましたが、この度、第二子を授かったかもしれず(まだ陽性反応が出たばかりですが)、自分が妊婦となるともう避けて通れないと思い、夫と話し合いをしたいと思っています。

そこで、HAL先生がもしも、ご主人がコロナはただの風邪だ!と主張された場合、冷静にそうではないことを示すとしたら、どうやって説明されますか?

どのような根拠を示せば、夫にもただの風邪ではないとわかってもらえるでしょうか?夫自身のリスクもそうですし、子どもへのリスクも含めて、どうにかコロナはただの風邪じゃないと説明し、冷静に判断してもらい、夫に出来れば認識を変えてほしいなと思っています。

大変な質問をしてしまい申し訳ないのですが、HAL先生のお考えをお聞かせ下さい。どうぞ宜しくお願い致します。

回答済み

一般内科

ご質問ありがとうございます。


夫さんが、ワクチンは接種してくれているが、一度罹患した時も軽く済んだこともあり、再感染のリスクも恐れなくなって、ただの風邪と思っており、マスクや手洗いもしてくれなくなった。質問者さまが妊娠されているかもしれず、どのように説明すればただの風邪ではないとわかってくれるか、私の考えが聞きたい、というご相談ですね。


これはなかなか重い質問ですね。一つずつ紐解きながら回答していこうと思います。


まず、私の夫がそうだったら……ということなのですが、うちは夫が医師なので、本当の本当にただの風邪論を言い始めた時は、論文での殴り合いがはじまりそうな気がしますので、あまり参考にならないと思います。私より頭が良いので、そっちの方に転んでしまう可能性は低いですが、もしそうなったら敵う気がしないですね……


ということで、うちの夫では例え話にならなそうなので、夫さんにどう説明するか考えようと思います。ワクチンの接種状況を考えますと、生粋の「ただの風邪」派ではなく、あくまでもワクチン接種+すでに感染しているというところからくる、冷静な「ただの風邪」判断をされているように思います。5回目も接種されて、すでに1回罹患しているとなると、ハイブリッド免疫もあると。そうなると、確かに感覚的には「ただの風邪」になってくる方は当然いらっしゃると思うんですよ。ね。


ワクチン+感染もしているとなると、重症化リスクも低く、感染した時のリスクは低いと思います(基礎疾患もありそうですし、もちろんリスクがゼロなわけではありませんが……)。

問題は、感染後の後遺症ですね。感染後の後遺症については、忽那先生のこちらの記事がわかりやすかったのでよかったらご覧ください。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e4815b44a98085db8bcbe0b32cb80471bf91df08

男性で基礎疾患もあるようですし、リスクとしては高めです。ワクチン接種しているためリスクとしては下がりますが、やはり繰り返し感染しているとその度に後遺症リスクがありますので、できれば感染してほしくないなあと思うところです……重症化した時のいやーな肺炎もそうなのですが、後遺症を考えると感染は避けられる限りは避けてほしいと考えてしまいます。


そして、一番の問題は、質問者さまが妊娠しているかもしれないというところです。まだ時期的にわからないかもしれませんが、どちらにしても妊活中であれば、いつ妊娠していたとしてもおかしくない状況であることをまずは理解していただく必要があるかもしれません。

そして、妊婦さんは、妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると


・妊娠していない人よりも重症化しやすくなります(特に基礎疾患がある・25歳以上等はリスクが高いです)

・早産・死産のリスクが高くなります

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/need-extra-precautions/pregnant-people.html#:~:text=Increased%20Risk%20of%20Severe%20Illness,one%20that%20causes%20COVID%2D19.

https://www.acog.org/womens-health/faqs/coronavirus-covid-19-pregnancy-and-breastfeeding

具体的な数値としては(少し古いデータになりますが)、感染していない人と比較して、早産のリスクが2.17倍、胎児死亡リスクが1.58倍です。

https://www.ajog.org/article/S0002-9378(21)00565-2/fulltext

これが風邪と同等かどうかと言われるとまた別のデータをもってくる必要がありますが、はっきり言いますと、ただの風邪でも新型コロナでも、今そこに流行している、感染力が強く、妊婦さんにとって脅威である感染症があることが大問題だと思ってほしいです。ただの風邪でも構わないので、妊婦さんを守ってほしい。そして、これから生まれてくる命を守ってあげてほしいのです。


妊婦さんが身を守るためには妊婦さん自身のワクチンが重要ですが、それと同じくらい大切なことは、一番妊婦さんに感染させる可能性が高い身近な周囲の人……そう、今回の場合、夫さんが感染をしないことは、間接的に妊婦さん(質問者さま)を守ることになります(繭のように守ってあげるので、コクーン戦略といいます)

感染しないために、すでに夫さんはワクチンをしてくださっています。これは素晴らしいことです。これに加えて、

いわゆる「三密」はリスクが高いので、リスクが高いところを避けるか、無理であればマスクをしてほしいです。少しでも感染リスクを減らせば、それだけ妊婦さんを守れます。常時する必要はないので、リスクが高い時だけ、ぜひお願いします。

・ただの風邪であっても手洗いは有効です。手が洗えない時はアルコールだけでもお願いできると嬉しいです。


というようなところから、お話をするといいかなあと思いますが、果たしてこれで納得してもらえるかどうか……

自分が「ただの風邪」で納得している場合、もうこれは感染を避けることはなくなってしまうと思うんですよね。そこに、ただの風邪ではすまない人がいる、それは自分ではなく、質問者さまや子どもさん、それからまだ見ぬ赤ちゃんといった大切な家族かもしれない、というあたりに目を向けてもらえたら……と思いました。


以上になります。

あまり参考にならなかったかもしれませんが、お話をする時になにかヒントになれば幸いです。

ただの風邪にしろなんにしろ、今本当に増えてきていますので、どうぞ家族みなさま、お気をつけてお過ごしくださいね。

34

2023年08月06日 01時24分


参考になりましたか?
ハートを贈り相川晴(HAL)先生を
サポートしよう!

内科医なのですが、こちらでは補完食(離乳食)についてや、ネットなどの健康情報の疑問などに回答できたらと考えています。

私の実力不足により、お答えできない質問はキャンセルさせていただくことがあります。ご了承ください。
回答まで少しお時間をいただきます。ご了承ください。

ハート、ありがとうございます! お返事ができませんが、少しでもお役に立てたのであればこれ以上嬉しいことはありません。

相談一覧