指名:相川晴(HAL) 先生

離乳食初期の赤身魚について

10歳未満女性

こんにちは。子が現在生後5ヶ月半で、2週間前に離乳食を開始しました。先生の補完食の本も購入させていただき、日々学んでいます。

補完食では鉄分を補うために初期から赤身魚を与えてOKとのことですが、別の離乳食本では「赤ちゃんは胃腸のはたらきが未熟なので脂質が最も消化しにくい。とりすぎると下痢をしたり吐き戻したりする。赤身魚は脂質が多いので中期(7〜8ヶ月ごろ)から使う」と書かれていました。
相反する内容なので、赤身魚(ツナの水煮等)を与えようか迷っています。鉄分は市販のベビーフード(鉄分入り出汁やポタージュ等)で補っており、赤身魚を初期から取り入れる理由が鉄分補給のみなら、お腹が心配なので中期まで見送ろうとも思いました。
補完食の本を出版されてからベビーフードの品揃えも変わってきているかと思いますが、先生の現在の赤身魚の摂取時期について、ご見解をお聞かせいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

回答済み

一般内科

ご質問ありがとうございます。


離乳食の本では「赤ちゃんは胃腸のはたらきが未熟なので脂質が最も消化しにくい。とりすぎると下痢をしたり吐き戻したりする。赤身魚は脂質が多いので中期(7〜8ヶ月ごろ)から使う」と書かれていた、補完食の本の内容と相反する内容なので迷っているので、昨今のベビーフード状況含め見解を聞きたい、というご相談ですね。


まず、不安な場合は無理しないでいいですよ、というのが私の意見になります。不安な気持ちだと、もし何かあった時に、それが原因でも原因でなくても「あの時あれをあげたせいで……」と考えてしまって落ち込みますので、不安なら無理しない方がいいです。

幸い、本を書いた当時より、初期から使える鉄強化ベビーフードも増えてきました。ただ、十分な量を補えるかというと微妙なのと、アレルギーがあると使えない場合があるので、そこは注意が必要です。


それとは別に、脂質の話をしますと、実は母乳やミルクは高脂質です。エネルギーのうち約50%を占めています。グラムでいうと100ml中3.5gくらいです。

赤身魚はどうか。よく私が進めているツナ缶でいきましょうか。

https://www.hagoromofoods.co.jp/products/detail/?id=810

こちらの水だけで煮てるツナ缶は、一缶食べて、脂質は0〜0.5gです。エネルギーの中で締める割合は、0〜9%ですね。


脂質を摂りすぎると下痢をしたり、胃の通過時間が長くなるので腹持ちがよくなったりはすると思います(腹持ちがよいので、食後にうつ伏せにすると吐き戻す可能性はあがるかもしれませんね)。必要以上に摂る必要はありませんが、まあ魚の種類や調理法によると思いますが、それで赤身魚を避ける必要はないんじゃないかなあというのが私個人の見解です。

ちなみにうちの子は早々とツナ食べましたが、下痢どころか便秘で苦労しました(ツナ関係なく元々便秘です)


ただ最初に言いました通り、「不安なら無理しない」です!

食べられるもの、補えるものは他にもたくさんありますので、いろいろつかって上手に補完食されるとよいかと思います。


以上になります。

本を読んでくださっているようでしたら、最後の方のQ&AのP237あたりに、"従来の離乳食では「この食材は消化に負担がかかるので」というような理由で、遅らせるように書かれた食材がありますが、早くあげて大丈夫でしょうか。"という項目がありますので、そちらも合わせてご覧ください。

少しでも参考になれば幸いです。


参考

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000041888.pdf

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2023年08月12日 01時09分


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