レックリングハウゼン病について

10代男性

私の母の家系がレックリングハウゼンで私にも子どもにも遺伝しました。
私自身大人になってから病院からレックだねと言われただけで通院検査はしておりません。ネットから得た知識しかありません。
子も同じで医者からレックだねと言われて終わりましたが、先日初めて「眼科で年1で検査した方がいい」と具体的な事を言われました。

(1)レックの場合、どの科でどんな診察・検査をした方がいいでしょうか?
(2)眼科でレックと言って伝わるものでしょうか?
(3)レックの事を知ろうと思ってもなかなか書籍などに巡りあえません。検索で過去の難病センターの講演を見つけましたが、(ちゃんとした?)情報を得られるサイトやアカウント・書籍などあれば教えて頂ければと思います。

回答済み

小児科,眼科

こんにちは。ご相談いただき、誠にありがとうございます。

「レックリングハウゼン病(神経線維腫症1型)と診断されているが、今までに通院検査などはしておらず、子どもの受診の際に初めて年に1回の眼科受診を勧められたが、レックリングハウゼン病ではどの科でどんな検査をしていく必要があるのか」というご相談ですね。


私はレックリングハウゼン病の専門ではありませんが、小児科外来に通院されているお子さんは時折おられますので、診療ガイドライン(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/NF1_GL.pdf)を参考に、わかる範囲内でお答えさせていただきます。

なお、病状や合併症などは個人差がかなり多いため、基本的にはかかりつけの先生や現在通院されている医療機関などでご相談いただければと思います。


今回ご質問を3つに分けていただいておりますので、それぞれの項目ごとにお答えさせていただきます。


① どの科でどんな診察・検査を受けるべきか

レックリングハウゼン病には皮膚症状を中心として、さまざまな病態がありますが、起こりやすい年代や注意することについてはある程度わかってきています。そのため、診断がついている場合には、できるだけ継続的な通院が勧められています。目安は状態によっても変わりますが、小児期で半年から1年おき、成人期で1〜数年おきです。


例えば小児期では日本人では比較的まれですが、7歳未満で視神経膠腫といって目の神経の異常が起こり、視力に影響が出ることがあります。そのため就学前に、眼科や小児科で認知面や発達も含めて一度評価することが望ましいとされています(絶対に検査しなければいけないというわけではありません)。


成人期では皮膚に出てくる腫瘤の大きさや痛み、硬さなどを定期的に皮膚科で評価しておくことが勧められています。また、その他の腫瘍の出現などがないか、検診などをベースに必要に応じて各科での評価が考慮されます。また、年代によっては遺伝カウンセリングを受けることも提案されます。


上記のため、通院する主科としては皮膚科もしくは小児科に相談しつつ、必要に応じて検査などを相談するというのが勧められているものと考えています。

ただ、むやみにスクリーニングで検査をするべきともされてはおらず、症状がない時点で見つけたものと症状が出始めてから見つけたもので治療成績に差はなかったということもガイドライン上で指摘されています。


② 眼科でレックと言って伝わるものなのか

レックリングハウゼン病は医師の中ではとても有名な疾患であり、どの科でも、基本的には自分の診療科でレックリングハウゼン病で問題になる病態については十分な知識があるものと思います。

眼科に受診される場合も、レックリングハウゼン病のため一度受診を勧められたという相談で伝わるものと思います。


③ レックについて適切な情報を得られるサイトやアカウント、書籍などがないか

最近Alexion Pharmaという製薬会社でレックリングハウゼン病における重度の叢状神経線維腫(そうじょうしんけいせんいしゅ)を対象とした薬剤が販売開始されたため、同製薬会社が医師監修で作成している「神経線維腫症1型 疾患情報サイト(https://nf1.jp/)」が一般的な情報としてはとてもまとまっていてわかりやすいのでおすすめです。


お答えとしては上記となります。ご参考になりましたら幸いです。

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2023年08月10日 19時30分


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