指名:どっと@小児科医 先生

【2歳コロナ感染】嘔吐で薬を飲まない時の対応について

10歳未満男性

初めまして。よろしくお願いいたします。
8/14コロナ陽性と診断されました(現在、家族全員陽性です。両親、1歳3か月娘)。

以下、情報と症状になります。
・2歳10か月息子
・8/13夜発熱(38.8℃)→8/14午前中受診で陽性判定
・8/14は一日38~39℃で解熱剤使用
・8/15の午前中に37℃台まで解熱→以後高熱はなし
・8/14の朝、嘔吐→以後、定期的に嘔吐(最後に嘔吐したのは本日8/16の10時頃、量は少し)
・嘔吐のため処方された薬を飲みたがらない(また吐いてしまうのが嫌)
・一方で喉は渇くので水分は摂りたがる(経口補水液などは拒否で水のみ)
・一日中横になっている(少し元気になったら寝ながらDVDを観ている)
・ぐっすり寝たくても、嘔吐症状で目が覚めて寝られなくて辛そう
・8/15の夜と8/16の朝にドンペリドン坐剤10mg
・処方薬はカロナール細粒20%(解熱したので現在、服用していません)
・アスベリンシロップ0.5%+ムコダインシロップ5%(こちら5日分処方されたので飲みきりたいのですが、拒否で困っています。8/15に仕方なく無理矢理飲ませてしまい、すぐに嘔吐してしまいました…。)
・食欲なし
・水分は水のみで本日は500mlくらいは飲みました
・水分は少しずつ摂らせた方がいいのはわかっていますが、本人が飲みたがり結果、嘔吐をしていました
・坐剤が効いたのか現在嘔吐なしでお昼寝中です
・尿はよく出ています。排便はなし。

●処方された薬が飲めない場合、点滴などの処置をしてもらった方がいいのか?
●風邪ではなくコロナ感染なので、初期に薬を飲ませなくての、その後の影響が心配

かかりつけ医に相談するのが一番だとは重々承知しています。
申し訳ありません。ご回答よろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

こんにちは。ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。

「2歳10か月のお子さんが、コロナ感染後に熱は下がってきたが、嘔吐を繰り返しており、薬を飲むことが難しい。水分は一応取れているが、点滴などの処置が必要か、また服薬しないことによる影響はないか」というご相談ですね。


ご家族皆さんでコロナに感染されてしまったということで、大変な状況なのではないかと思います。まず、ご相談いただいたお子さんにつきましては、熱は下がってきているようで何よりです。

コロナ感染による嘔吐(消化器症状)はよく見られますが、他の症状と同様に時間経過で改善してくる方がほとんどです。現状は水分を頑張って摂取することはできており、尿もよく出ているということですので、最も心配される脱水は現時点ではあまりなさそうかなと思います。

ただ、まだまだ食欲はなく、元気もあまりなさそうということで、ご心配かと思います。


実際には診察してみなければ何とも言えないところもありますが、今回ご提示いただいた情報をもとに、ご質問に対して回答させていただきます。


・処方された薬が飲めない場合は、点滴などの処置をしてもらった方が良いか。

→ 小児のコロナウイルス感染症に対して処方されるお薬は、基本的に対症療法のお薬のみです。症状を軽減させることを目的としているお薬なので、お薬が飲めない=点滴が必要というわけではありません。対症療法のお薬は、解熱剤などを除いて、ほとんどの場合はそれほど高い効果は得られません。期待される効果は、飲んでいなかった場合と比べて、少しだけ咳の期間が短くなるなど程度です。

対症療法のお薬を飲んでいなかったことによって、点滴が必要、入院が必要などにつながることはあまりありません。


コロナに感染したときに点滴を考慮するのは、水分が取れないことによる脱水、糖分の摂取が少なすぎることによる低血糖などの状態です。現在のお子さんの状態は、脱水や血糖が少し下がっている可能性は否定できませんが、まずは口から糖分や塩分を含んだ水分を少しずつ摂取していただきたいという印象ではあります。

経口補水液では飲みにくいという方も少なくありませんが、りんごジュースなどなら飲めるという方も多いです。また、お味噌汁のスープの部分なども比較的飲みやすいのではないかなと思います。

経口補水液は良いものなのは間違いありませんが、水や麦茶以外の塩分や糖分が含まれるもので、お子さんが飲めそうなものを探してみていただくことをおすすめします。


・風邪ではなく、コロナ感染のため、初期に薬を飲めていないとその影響が心配である。

→ ご心配されるお気持ちはよくわかります。コロナは世間一般的には風邪になりつつありますし、本当に軽い風邪程度で済んでしまう方も少なくありません。しかし、実際にかかってみるとかなりの高熱が出たり、食事・水分がしばらくまともに取れなかったり、後遺症として咳や疲れやすさ、食欲のなさなどがしばらく続いてしまうことも珍しくありません。

 重症化や後遺症をお薬で減らせられるかというと、正直なところ少なくとも小児に使用するお薬では期待はできません。そのため、お薬が飲めなかったことをあまり心配される必要はないかなと思います。現状は小児で重症化や後遺症を防ぐためにできることは、ワクチン接種のみです。


 今は「お薬を飲もうとすることで吐いてしまう」という悪循環になっているのではないかと思いますので、今までと同じ服用方法は少し避けていただいた方が良いかもしれません。お薬を飲むことよりも、必要な水分・塩分・糖分が摂取できることの方が大切です。

 お薬が絶対に必要ないというわけではありませんが、効果とのバランスを考えると無理して飲むことを勧めるほどではないという認識です。

 ひとまずは本人と相談して、飲めるというようであれば服用する。もしくは、本人が気が付かないようにしっかり味のあるものやアイス・ヨーグルトなどで隠して飲んでみるというくらいが無難なところではないでしょうか。


 なお、今回ご提示いただいたお薬にはなさそうですが、例えば細菌感染症の抗菌薬や喘息・じんましん・てんかんなどの薬は、しっかりと服用することが必要ですので、状況に応じてかかりつけの先生としっかりご相談いただければと思います。


お答えとしては上記となります。

ご参考になりましたら幸いです。

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2023年08月16日 16時45分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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