指名:相川晴(HAL) 先生

子どもの食物アレルギーとの向き合い方(当事者の親目線)

30代女性

X(Twitter)で貴重な情報発信ありがとうございます。
晴先生の次女さんと同じく乳アレルギーのある5歳の息子がいます。
1歳から負荷試験、自宅負荷を続けていますが、まだE赤ちゃん5ccを家で摂取するくらいの重症でエピペンを処方されています。

除去食を作ることや外食が困難等よりも、自宅負荷が何より怖くて不安でしんどくて重荷です。
先日の自宅負荷で、今まで平気だった量でケホケホと軽い咳が出てしまいました。
ショックと不安と悪化したらどうしようという恐怖で自宅負荷が本当に辛いです。
私自身の体調もメンタルのダメージから崩しがちです。
でも、逃げる(治療を止める)=息子が治らないということなので、絶対に逃げることはできません。

晴先生もいつも飲めている量で症状が出てしまってショックを受けられたり、怖い思いをされているとXで拝見しました。

どのように恐怖や不安、ショックを対処されて付き合っていますか?
気持ちの持ち方、恐怖や不安につぶされないために、どうしたらよいか悩んでいます。

回答済み

一般内科

ご質問ありがとうございます。


乳アレルギーの5歳の息子さん、自宅負荷が何より怖くて重荷で辛いが、逃げることはできない。私がどのように恐怖や不安、ショックに対処しているか知りたい、といったご相談ですね。


わかります……! 除去食作るのも大変なんですが、もしかすると症状が出るかもしれないものを自分が子どもに与えて、そして症状が出るかもと見守るストレスとは全く違うんですよね。除去さえしていればこの症状は出ないのに、と思うと本当に苦しくなります。

私は、将来的にこの子が牛乳を他の人と同じように飲めるようになるかは、期待はするけれども、そこまでは無理かもしれないと思ってます。ただ、0.001mlで症状が出るのと、1mlで症状が出るのと、100mlで症状が出るのでは、今後のこの子の生活の質が全く変わるだろうと思ってまして、少しでもその「安全」な幅を広げることができたらと思って治療を開始しました。


なので、症状が出た時は背筋が凍る思いではあるのですが、今ここで諦めたら、この量で症状が出ることを許容しなくてはいけないのだなと思い、いや、まだもう少し頑張りたい、幅を広げたいと自分を鼓舞しています。

症状が出るたびにものすごく落ち込んでいるのですが、その度にそのことを思って気合を入れ直している感じです。


症状が出た後の恐怖にどう打ち勝っているかというと難しいところなんですが、「この量なら症状がでない」量に減らし、その量を継続して摂取できた時、「この量は大丈夫な量だ」という成功体験によって自信を持てた時に、やっと恐怖を忘れている気がします。症状後しばらくは本当に毎回怖いのですが、そうして大丈夫な量を繰り返しているうちに、だんだんなれてくる……感じでしょうか。


あまり根本的な立ち直り方をかけず申し訳ないです。恐怖に対するある程度の麻痺、慣れ、そして繰り返すことで自信に変わり、その量への恐怖はなくなる。そしてまた一歩進んで同じことの繰り返し……という感じです。

ただ、恐怖の程度は多分人により違います。私はいざという時の対処を一応知っていることが、若干恐怖を和らげているとは思います。なにか起きた時に、エピペンや処方薬をどう使うか、救急車の番号を押してから何を伝えるか、そういったことを想定して、一度体を動かして練習しておくと、いざという時に素早く動けます。悩まずすむようにフローチャートを作って冷蔵庫などに貼っておくとよいかもしれません。

何か起きても助けるぞという裏付けのある気合は、少し恐怖を和らげるのに役立つかも、と思います。


で、その恐怖の気持ちについては、(もうされているかもしれませんが、)主治医の先生にもぜひ一度お話しください。子どもだけでなく、保護者の協力が不可欠な治療です。具体的になにに恐怖を感じているのか、どうすればそれを和らげることができるのか、それを一番わかるのは主治医の先生ではないかなと思います。そして、もし具体的な対策ができなかったとしても、主治医の先生が気持ちを理解してくれているというのは、必ず安心感に繋がります。(と、いうのは、医療者ではなく、患者の親としての感想です。)


うまくまとめることができませんでしたが、以上になります。

少しでも参考になれば幸いです。

そして、できるだけ症状が出ずに、ゆっくりでも少しずつ少しずつ治療が進みますようお祈りしています。一緒に頑張りましょう。

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2023年08月26日 08時55分


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