指名:Tatsu Ogawa*生殖医 先生

凍結胚盤胞の移植方法について

40代女性

先生にお尋ねしたく登録しました。お答え頂けると嬉しいです。

42歳6ヶ月 AMH0.88
40歳 胎嚢確認後6週流産
41歳 心拍確認後9週稽留流産と6週流産(診察前日に出血し胎嚢未確認)
いずれも治療外の自然妊娠でした。
41歳で不妊不育検査をし、軽度橋本病以外問題はなし、タイミングとAIHを経て、8月に体外受精に進みました。
高刺激で6個採卵、成熟卵5個が胚盤胞になり凍結しています(5日目4BA 4AC 4BC 6日目4BA 4AC)
移植にあたり、気になることがあります。私のクリニックは、95%がホルモン補充周期で、排卵周期の妊娠率はホルモン補充周期の6割に届きません。
一夜漬けの知識ではありますが、最近あちこちの先生方が指南される論文を読み、色々勉強して、レトロゾールでの低刺激周期でタイミングも併用して移植したいと考えていました。年齢的にeuploidの胚に出会う可能性も低いので、2回移植も希望しています。
最近のデータでは排卵周期の方が、妊娠合併症にかかる率も流産率も低く、若干生産率も高いように認識していたのですが、クリニックのデータが真逆で不安です。生理が来たら受診しますが、病院の先生は質問に明確に答えてくれず、会話が成り立ちません。

排卵周期は管理が難しく、診る先生によってかなり結果に差が出るものなのでしょうか?
私の生理周期は24〜26日と短いですが正確で、ほぼ毎回排卵しています。それでも年齢的にホルモン周期の方が適応なのでしょうか。
納得して治療を受けたいので、転院も頭によぎるのですが、時間のロスが怖くて悩んでいます。

回答済み

産婦人科

ご質問、ご指名、ありがとうございます。

ざっくりした言い方ですが、排卵周期はとても気を遣います(私は)。


自然周期あるいはレトロゾールなどを用いて卵胞を発育させ、自然排卵の5日後に胚移植する、あるいはhCG注射やアゴニスト点鼻の160時間後頃に胚移植をする、というのが一般的な排卵周期かと思います。排卵後は黄体ホルモンの補充を行う施設もあります。

とにかく卵胞発育がスケジュールを決めます。したがって、もし胚移植すべき日がクリニックの休診日に当たる場合、その周期の移植を中止して次の生理を待つことを検討する必要があります。1日前後して(特に後ろ)無理やりその周期に移植すると、妊娠率が低下する可能性があります。

また、診察日にいつの間にか既に排卵していた場合には、適切な胚移植日が決められずに中止することもあります。だからといって保険診療では超音波や血液検査の回数に制限がありますので、あまりこまめに診察することもできません。


年齢の上昇による卵巣予備能の低下とともに月経周期が短くなることはよくあります。その場合、必ずしもそうとは限りませんが、卵胞が小さいうちに排卵してしまっていたり、黄体期が短かったりなど、卵巣からのホルモン分泌が不十分な状況も想像されます。その場合はホルモン補充周期の方が良い可能性もあります。


何を優先するか、です。

極論を言えば、貯卵して、子宮内膜症に対する腹腔鏡手術してから胚移植するという選択肢もあります。でも数ヶ月必要ですし、貯卵は自費診療になる可能性があります。また、チョコ6cmだからといって手術を勧めるかどうかはわかりません。超音波やMRIの所見や、痛みの様子など、総合的に判断するためです。PGT-Aだってありえますね。

時間のロスを考えるのであれば、そのクリニックの先生が一番自信を持って提案してくれる方法に身を委ねるのは、決して悪い選択肢ではないと思います。


お答えになったでしょうか。

少しでもお役に立てれば幸いです。

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2023年09月06日 18時33分


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産婦人科、専門は生殖医療です。日常の診療では主に、一般不妊治療、生殖補助医療、不育症、がん生殖医療、PGTを含めた遺伝カウンセリングを取り扱っています。1人でも多くの方のサポートができれば幸いです。

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