経験人数によって子宮頸がんワクチンの有効性は変わるのか
20代女性
現在私は22歳の女性です。
最近子宮頸がんワクチンの9価ワクチンの公費でのキャッチアップ接種が始まったため、病院で予約しました。
しかし、性行為の経験がある人はしてない人に比べてワクチンを接種したとしても効果が少ないと聞きました。
私は経験人数が同世代よりも少し多い7名です。
やはり経験人数が多いと既に感染している可能性があるので、ワクチン接種の効果が少なくなってしまうのでしょうか?
友人いわく、子宮頸がんワクチンの副反応がインフルのワクチンなどに比べて重く回数が多いと聞きました。
効果が少ないのであれば、副反応の重さや接種回数の多さのことも考えてワクチン接種をキャンセルしようと考えています。
回答よろしくお願いいたします。
回答済み
ご質問及び詳細な状況をお伝え頂き、ありがとうございます。
9価HPVワクチンは、子宮頸がんを引き起こす頻度が高い7種類のHPV(HPV16/18/31/33/45/52/58型)と、尖圭コンジローマを引き起こす可能性が高い2種類のHPV(HPV6/11型)の感染を予防する効果があります。
もしこれらの9種類全てのHPVに既に感染しているならば、全く効果はありません。
一方で、これまでの性交渉で仮に既に複数の種類のHPVに感染していても、未感染の上記のHPVの今後の感染は防げます。
従って経験人数が7人であっても、部分的には効果がある可能性が高いです。
"ではハイリスクHPVへの感染の検査をして、感染していなければ接種しよう"
と考える方もいますが、これら全てに感染済みで全てに陽性という結果が出る方はほとんどいません。
またHPV検査では、結果が陽性であればほぼ確実に感染していますが、陰性であっても感染している事もあります(現時点での検査の限界です)。
また副反応としては、筋肉注射なので他のワクチンよりも筋肉の痛みや腫れは出やすいです。コロナワクチンも筋肉注射なので筋肉の痛みに関しては概ね同程度で、コロナワクチンと異なって熱はあまり出ません。その他のワクチンは皮下注射なので、皮膚の腫れや痛みはかえって皮下注射の方が長引きやすいです。
また、日本は他の先進国と異なり男性のHPVワクチン接種者がほぼいません。従って、今後の人生で関係を持つ男性はハイリスクHPV感染者である可能性が大いにあります。
上記の理由から、接種する事を個人的には強くお勧めします。
それでもご不安であれば、接種を予約している医療機関の医師と相談して最終的に決定される事をお勧めします。
上記の回答で、少しでもお力になれれば幸いです。
回答ありがとうございました。
まだ私は未婚でどんな方とお付き合いするのか分からないので、接種することにしました。
ありがとうございました。
2023年11月08日 23時14分
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これまでの勤務先では生理・避妊などの女性特有のお悩みや性感染症などのご相談や治療を行ってきましたが、特に子宮頸がん治療にも専従していました。
現在は子宮頸がん検診やオンラインでの低用量ピルなどの処方、HPVワクチンの説明を行っています。
「自分が女性だったらどんな医療相談が望ましいか」
を常に意識していますので、ご遠慮なくご相談ください。