指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

6歳 熱性けいれんの既往あり セチリジンの服用について

10歳未満男性

6歳の息子についてです。1歳の時に熱性けいれんを起こしています。鼻詰まりとたんがひどくセチリジンとモンテルカストを一年近く服用していますが、最近抗ヒスタミン剤は熱性けいれんの既往歴のある人は使わない方がよいとの記事を見ました。服用を中止したほうがよいのでしょうか。

回答済み

小児科

熱性けいれんの既往がある児のセチリジンの服用について、ご指名でのご質問ありがとうございます。6歳のお子さん、「1歳時に熱性けいれんを起こした、鼻詰まりと痰がひどくセチリジンとモンテルカストを1年近く服用している、最近抗ヒスタミン剤は熱性けいれんの既往歴のある人は使わない方が良いとの記事を見た服用を中止した方が良いのか?」というご質問でした。

お子さんの鼻炎の程度や主治医の先生のお考えなどとの兼ね合いもありますので、実際お子さんがどうするかは主治医の先生にお尋ねください。僕からは熱性けいれんと抗ヒスタミン薬についての一般論をお答えしておきます。

熱性けいれんと抗ヒスタミン薬については、日本小児神経学会から出されている「熱性けいれん診療ガイドライン2015」に「熱性けいれんの既往のある小児に対しては発熱性疾患罹患中における鎮静性抗ヒスタミン薬使用は熱性けいれんの持続時間を長くする可能性があり推奨されない」と書かれております。「鎮静性抗ヒスタミン薬」についても書かれておりますが、「セチリジン」(ジルテック)は差し当たって「非鎮静性」の範疇の薬剤となります。

ただ、「セチリジン」より効果も高くてより副作用も少ないとされる「レボセチリジン」の薬剤がありますので、あえて「セチリジン」を処方する必要も無いかとも思われます(添付の表の「セチリジン」より「レボセチリジン」の方が脳内移行が少ないと考えられております。もともと、セチリジンには光学異性体として「R体」と「S体」の2つの物質が存在しております。レボセチリジンは抗ヒスタミン作用を示す「R体」を取り出した薬剤で、「R体」だけの方が効果が上がり、かつ眠気の副作用も起こしづらくなります)。表にもありますが、より鎮静性の少ない他の薬剤もあります。

お子さんについては「熱性けいれんをもう5年近く起こしてないこと」「熱性けいれんを起こしがちな年齢を過ぎつつあること」などや「セチリジンからレボセチリジンに変更すること」「他の非鎮静性の薬材に変更すること」なども主治医の先生との相談の際に検討材料になろうかと思います。

ぜひ主治医の先生とご相談ください。僕からの回答は以上となります。ご参考になれば幸いです。

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2023年11月25日 21時26分


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*小児科の回答は複数の先生でされておりますので、僕は主にご指名でのご質問にお答えしております。ご希望があればぜひご指名して頂けると良いかと思います。

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