令和6年度 乳幼児コロナワクチンについて

10歳未満男性

生後6ヶ月の赤ちゃんのコロナワクチンについてです。

幸いにも任意接種が出来る病院が見つかり、接種自体は5月中に可能な状況です。

上の子が1歳でコロナに罹患してしまった時に、非常に辛そう+その後数ヶ月は調子が悪かった事が怖いと思い、下の子である赤ちゃんの接種も決めました。

ただ任意接種をしているクリニックが少なく、家族の「もうワクチン打つ人いないんじゃない?」という言葉もあり、任意接種が正しいのか自信がなくなってしまいました。
公費での接種ではなくなったので、接種後にもし重い副反応が出た場合、救済制度などはあるのかも気がかりです。

以前、小児科学会がコロナワクチンの接種を推奨しているという情報を得たのですが、このスタンスは変わっていないという理解で良いのでしょうか。

少し長くなってしまいましたが、秋冬を待たずに5月中にワクチンを打つことは推奨されることという理解で問題ないのでしょうか。
(秋冬も接種を考えています)

どうぞ宜しくお願いいたします。

回答済み

小児科

こんばんは。ご相談いただきありがとうございます。

「生後6ヶ月の乳児に任意接種でコロナワクチンの接種を受けることを考えているが、対応している医療機関が少ないことや家族もあまり積極的でないことから、本当に接種するべきなのか悩んでいる。任意接種の場合の救済制度はどうなっているのか、小児科学会のスタンスは今も変わっていないのか、どう考えるか。」というご相談ですね。


上のお子さんがコロナに感染された時にすごく辛そうだったということを経験されて、予防できれば予防していきたいと考えられるお気持ちはよくわかります。

幸いなことに、以前と比べて重症化する方はあまり多くなく、小児であっても熱性けいれんなどで搬送されるお子さんも実感としては少なくなっている印象はあります。ただ、少なければ絶対に重症化しないというわけではなく、熱性けいれんも起こす人がいなくなったわけではなく、重症化には全く当てはまらなくても本人としてはかなり辛い思いをしているというパターンも決して少なくありません。

ご兄弟もおられ、ある程度感染リスクがあるお子さんであれば、私は可能であれば接種していただくことをお勧めしています(ご指摘の通り、コロナワクチンの扱いが変わったことや接種する人数がある程度いないと準備も難しいことなどから、接種できる医療機関はかなり限られているのは事実で、接種したくても接種する場所がないという方も少なからずおられます)。


以下ご質問への回答です。

・任意接種の場合の救済制度がどうなっているのか。

▶︎ 他の任意接種のワクチン(おたふくかぜワクチンなど)と同じように、定期接種における救済制度とは異なる制度があります。定期接種であれば、「予防接種健康被害救済制度」という制度がありますが、任意接種の場合は「医薬品副作用被害救済制度」という制度を用いて救済を受けることが可能です。

細かいところはわかりにくいのですが、基本的には申請の仕方や保証の程度が変わってくるということが問題ではありますが、他の任意接種ワクチンもある意味で同等の対応にはなっているため、接種を妨げるほどの要因ではないものと考えています。


少しわかりにくいかと思いますが、厚労省の資料のURLを添付します。

https://www.mhlw.go.jp/content/001223621.pdf


・小児科学会は接種を推奨していると聞いたが、スタンスは変わっていないか。

▶︎ スタンスの最終更新が2023年10月と少し前のものではありますが、その後推奨を撤回するようなコメントは出ておりませんので、引き続き接種が可能であれば接種を勧めるという方針だと考えています。

https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=531


別物として、4月1日づけで小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」でコロナワクチンについては追記されました。スタンス自体への言及はありませんが、参考までに提示させていただきます。

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_B-14shingatakorona_20240401.pdf



ご指摘いただいているようにワクチンを取り巻く環境もやや変わってきているため、悩まれるお気持ちもよくわかります。必ずしも1日も早く接種しなければというわけではありませんので、かかりつけの先生ともご相談いただきつつ、納得できるタイミングでご検討いただくで良いかと思います。

小児科学会のスタンスはもちろん、私個人としては初回接種だけでも済んでいるとやはり安心感はあるかなと考えています。ただ、今後追加接種がどうなってくるかなど正直なところまだまだわからないことも多いため、情報に注意して様子を見ている状況というのも事実ですので、また悩ましい場合には適宜ご相談いただければと思います。


回答としては上記となります。

ご参考になりましたら幸いです。

0

2024年05月03日 00時27分


参考になりましたか?
ハートを贈りどっと@小児科医先生を
サポートしよう!

小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

相談一覧