中耳炎から内耳炎

40代女性

先週火曜日に、黄色い鼻水が出てるなぁと思いながら鼻をかんでいたら音が遠くなり、その夜、突然右耳が詰まったようになり、自分の声がこもる感じになりました。
その後強い痛みもあり、ロキソニンを飲んでおさまりました。

翌日、耳鼻科を受診し診てもらったところ中耳炎とのことでバナンとムコダインを1週間分処方されました。
しかし痛みが強く、耳の閉塞感もひどくなってきたのでこの月曜日に再度受診したところ
聴力検査をし、鼓膜切開をしてもらいました。
痛みはおさまりましたが、耳の聞こえは変わらず、未だに閉塞感や自分の声がこもる感じが続いています。
耳鳴りもあります。
そこでプレドニンが処方されました。

水曜日に消毒に行き、症状が変わらないことを伝えると「プレドニン飲んでるのになぁ」ということを言われました。

しばらく通気に通い、完治までには時間がかかるとのことでした。

抗生物質がオゼックスに変更されました。

先生からは内耳炎とは言われていませんが
内耳までいってるからプレドニンなのでしょうか?
また効かないというのはもう治らないのでしょうか…
内耳炎までいってるともうこの自分の声がこもるのは治りませんか??

現在の聞こえ方は左に比べると半音くらい下がったような音の割れた聞こえ方で、小さく感じます。ザーザーピーピーのような耳鳴りもあります。

鼓膜切開すると楽になると思っていましたが
まだ耳垂れも出るし、閉塞感も強く辛いです。

治らないのかもしれないと不安で仕方ないです。よろしくお願いします。

回答済み

耳鼻咽喉科

ご質問ありがとうございます。耳鼻咽喉科専門医の音良林太郎と申します風邪の後からおそらく急性中耳炎を発症し、内耳炎の可能性もありプレドニンの投与を受けているということですね。少し長引いているようですが治る可能性ももちろんあり、経過観察が必要であると感じました。


先週火曜日(5/7)より風邪と耳の症状を発症し、翌月曜日(5/13)には症状が改善しないため聴力検査から鼓膜切開とプレドニンの処方を受けたということですね。症状と経過から、急性中耳炎の発症自体は間違いないと思います。その後痛みは収まったが、耳閉感と耳鳴りが続いているということですね。おっしゃるとおり、内耳炎があるかどうかは一つ考えるべきポイントとなります。

急性中耳炎の炎症が内耳に移行することは、しばしば見かける合併症です。正確な割合はわかっていませんが、10%弱で中耳炎から内耳の症状が出現したという報告もあります。内耳の障害が出た場合の典型的な症状として、めまいが出ることや、高度難聴(全く聞こえなくなってしまうこと)があります。今回相談者様にはめまい症状や高度難聴はなかったようですね。

耳鳴は難聴に伴って生じることがあります。耳鳴=内耳炎ではありませんが、難聴が生じていること自体は明確です。問題は、難聴が内耳から来ているかということですが、この判断は必ずしも簡単ではありません。聴力検査では骨導聴力といって、おでこや耳の後ろを震わせて行う聴力検査によって、内耳を直接振動させてその機能を測るものがあります。この骨導聴力が明らかに悪化していた場合、内耳に炎症が移行していることを示唆する結果となります。ただし、内耳炎がなくても見た目上骨導聴力が悪化する事があり、判断は難しいです。

判断が難しいので、疑った場合はプレドニンなど副腎皮質ステロイドを投与することがあります。ステロイドは通常1週間程度で終了し、その後の経過によって判断します。


今回は発症から少し長引いているようですが、急性中耳炎は、その経過において水や炎症による粘膜の腫れによって耳閉感が長引くことがあります。数週間から数ヶ月しても治らないが、痛みを伴わない中耳炎のことを滲出性中耳炎といい、子供でよく起こる中耳炎の一種として知られています。ですから、相談者様の場合、すこし時間が立ったように感じられるかもしれませんが、通常の経過において治療に時間がかかっているだけの可能性も否定できません。


主治医の先生はよく見てくださっているように思いますので、通院を続けていただくのが一番良いかなと思います。気をつけるべき症状として、難聴の悪化とめまいの出現を挙げます。万が一こういった症状が出た場合は、再診日を待たずなるべく早期に受診を検討してください


以上、回答させていただきます。耳閉感・耳鳴り・耳だれが続いて辛いですよね。早く治ることを祈っております。この回答がお役に立てば幸いです。また何かありましたらお気軽に質問ください。

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2024年05月17日 16時27分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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