インフルエンザワクチンの抗体推移
10歳未満女性
みなさまのQ&Aも参考にさせていただいているのですが、重複している質問でしたら申し訳ありません。
2歳半の娘のインフルエンザワクチンの接種時期について質問です。(昨年2回接種済み)保育園に通っています。
今年は幸いまだ流行していないので、1回目の接種(10月21日予定)を11月半ばあたりか、10月の後半あたりに接種を延期しようか迷っています。(わずかな差ですみません)
そこで質問なのですが、1回目の接種で抗体が上がってくるのが2週間ぐらいだとすれば、2回目の接種まではしばらくは、多少安心して良いのでしょうか?
2回目の接種でそこまで効果は担保されるのでしょうか?(1回のみで良いという先生もいらっしゃるみたいで)
抗体が1回目接種から、どのように推移していくのでしょうか?
春先まで、できたらワクチンの効果が継続できたらいいなと思っております。
よろしくお願い致します。
回答済み
こんばんは。ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。
インフルエンザワクチンの接種時期と抗体価の推移に関するご相談ですね。
インフルエンザワクチンを接種する時期に入ってきましたが、ご指摘の通り現状はインフルエンザが流行している地域はあまりなく、少し接種するタイミングの調整を考えたくなるお気持ちもよくわかります。
一応確認ではありますが、ご相談者様のお子さんは昨年度すでに2回は接種されている状況ということですので、接種回数は以下のような認識で良いと思います。
・国内(厚生労働省や日本小児科学会の推奨)では12歳までは年に2回の接種が勧められています
・WHOを中心に米国など海外では、前年度(今までに一度でも)に2回の接種ができている場合は、1年に1回の接種が勧められています
昨今インフルエンザワクチンも供給が不安定だった時期もあり、最近では海外にならって「より多くの方が接種できるよう1度でも2回接種ができていれば小児期であっても1年に1回の接種で良い」という方針の医療機関も増えてきています。
私自身も基本的には2回の接種歴がある場合には1回の接種でも問題ないですよと外来ではお話しています。もちろん国内では2回接種が推奨されているため、ご希望される方は2回接種していただくことも特別問題はないものと考えています。
海外ではなぜ1回で良いとされているかといいますと、効果としては1回接種でも十分に認められているからです。確かに抗体価という視点では2回接種した方がさらに高くなる可能性が高いのですが、抗体価の高さと予防効果は必ずしも一致しないため、単純に効果が認められているかどうかがポイントになっています。
上記を意識していただきつつ、ご質問への回答をさせていただきます。
・1回目の接種時期を10月後半あたりに延期するのはどうか。
▶ 一般的に効果は5か月程度は続くものとされておりますので、数週間の誤差はあまり気にされる必要はないのかなと考えています。直近でも10月後半でもご家族・お子様として接種しやすいタイミング・日程が優先で問題ありません。どうしてもお子様の体調などの問題で予定通りにはいかなくなってしまうこともありますので…。
・1回目の接種から2回目までの間は多少は安心してよいのか。
▶ 上記の通り、前年度に2回接種できている場合は1回の接種でも、接種から2週間くらい経っていれば一般的には十分な予防効果が発揮できるとお考え頂いてよいかと思います。
抗体価の推移はどうしても個人差も大きく難しいところですが、一般的には2週間から4週間くらいがピークとなり、その後半年程度かけてゆっくり下がっていくという認識で良いかと思います。その間で2回目の接種(一般的には1回目から4週間)をした場合、そこからさらに抗体価が上がるため、少し持続期間が長くなる可能性はあるように考えています。
回答としては上記となります。
ご参考になりましたら幸いです。
2024年10月18日 22時47分