相談詳細

ふろ仙人🛀🏻@肝胆膵内科 先生

脂肪肝について

20代 男性

健康診断で脂肪肝と言われて早5年…。先日健康診断でまた指摘されてしまいました。このままじゃいけないと思いその時は改善しようと思うのですがなかなかその意思が続きません。お酒が好きでよく飲みよく食べます。デスクワークなので運動も慢性的に不足しがちです。そんな自分に肝胆膵内科の先生から何か怖い話をお願いできないでしょうか。お願いします!!

回答済み

一般内科

はじめまして。お待たせして本当に申し訳ありません。 肝胆膵内科のふろ仙人と申します。普段は肝胆膵を中心とした臨床と研究に従事しております。 さて、今回質問いただいている脂肪肝ですが、慢性的な肝臓の病気としては年々増えており、世界人口の約20%がかかっているとされる非常によくある病気となってきています。 脂肪肝は簡単に言うと肝臓の組織の中に脂肪が沈着する状態で、超音波検査を用いるとある程度発見することができます(正確には肝臓の組織を採取して、その組織を顕微鏡でみて判断する必要があります)。食べ物の例えで非常に恐縮ですが、イメージとしてはフォアグラですね。 アルコールの過度の摂取を背景とした脂肪肝と、過食や運動習慣の減少による肥満やインスリン抵抗性の上昇に伴う糖尿病、食生活に伴う脂質異常症などのいわゆる生活習慣を背景とした脂肪肝に大別され、特に後者を非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼びます(正確には他にも薬物によるものや遺伝子疾患によるもののありますが今回は置いておきましょう)。これらはお互いがオーバーラップしていることも多いのですが、現在は飲酒量でおおまかに原因を分けることが多いです(余談ですが、新しいMAFLDという定義が提唱されていますがまだ浸透しておりません)。 質問者様の場合は飲酒をされるとのことですが、男性の場合、1日の飲酒量がエタノール換算で30g以下であれば飲酒を背景しない脂肪肝(NAFLD:非アルコール性脂肪性肝疾患)とされています。だいたいビール750mL、日本酒1.5合相当となって、意外と少ないですよね。 ところで脂肪肝は何が怖いのかというと、脂肪肝をそのまま放置しておくと一定の確率で肝硬変という病気に進みます。肝硬変となってしまうとそこから元の状態に戻ることは現代医療では困難です。さらにその一部から肝臓癌を発症することが知られています。脂肪肝は特に自覚症状はないことが多く、検診などを受けないと知らないうちに肝臓癌を発症する可能性もあるのです。 もちろん全例がそうなるというわけではなく、脂肪肝の状態が続くと脂肪肝炎(一般的には採血で肝細胞逸脱酵素(ASTやALT)、胆道系酵素(γ-GTPやALP)の上昇を伴う状態)となり、その状態が持続すると一定の確率で肝硬変となり、その中でさらに一定の確率で肝臓癌を発症します(確率に関しては諸説ありますが一般的には10%程度ずつ程度とされます。つまり脂肪肝をおいておくとなりうる脂肪肝炎100人につき肝硬変10人、肝臓癌1人程度発症のイメージです)。 またNAFLDの場合には、一般の集団と比較して肝臓のみならず心血管イベント(心筋梗塞や脳梗塞)のリスクも上昇するとされます。これはNAFLDと肥満や生活習慣病が密接に関連していることを考えると納得のいく結論かもしれませんね。 たかが脂肪肝と思っていても、将来的に癌や心筋梗塞、脳梗塞といった命を左右するような病気のリスクが上がることは意識しておく必要があると思います。 治療法ですが、現在脂肪肝に対する薬物療法として確立されたものはなく、いろいろな薬が本当に効果があるかどうか日々模索されております。 しかしながら、飲酒が原因と考えられるときには禁酒が、肥満などの生活習慣が原因とされる場合には食生活の改善や運動による7%の減量が脂肪肝の改善に有効とされています。質問者様のように若い方であると、ファーストフードなどのカロリーや脂質の多い食事が増えたりしがちなので、もし思い当たることがあればそういったところを改善すると脂肪肝が良くなるかもしれません。 あとは質問者様がそこまで太っておられない場合、あるいは痩せていらっしゃる場合でも生活習慣に適切な介入をすることで脂肪肝が改善するとの報告もありますので、いずれにしてもバランスのよい食事摂取と適度の運動が必要になりますね。 以上、参考になりましたでしょうか。 余談ですが、ドヤ顔でこの回答をしているふろ仙人自身が脂肪肝と言われております。怖いですよね。一緒に頑張って脂肪肝を改善させましょう。

2021年10月01日 17時31分
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消化器内科/肝胆膵内科のふろ仙人です。消化器関連のお悩みから一般的な疾患にいたるまで、患者さんの不安に寄り添える回答を心がけております。