乳児喘息の経過について

10歳未満男性

2歳4ヶ月の男の子がいます。
昨年の11月に乳児喘息と診断され、1週間入院しました。
11月から3月までモンテルカストを服用し、
経過がよかったので一旦モンテルカストの服用を中断したところ、喘息症状が出てきたので
5月ごろから現在まで服用を続けています。
薬の服用のことと、経過のことで相談させてください。
・モンテルカストの長期服用で副作用はないのか?
・ひどい発作症状は出ていないのですが、
風邪を引いた時に咳が長引いたり、睡眠時や朝起きた時に咳き込む事がよくあります。
これは喘息の影響なのでしょうか?
このような症状がある限り、薬の服用は続けないといけないのでしょうか?
・喘息が完治したという判断はどのようにするのでしょうか?

ご回答よろしくお願いします、

回答済み

小児科

こんにちは。 ご相談いただきありがとうございます。 乳児期の喘息についてのご相談ですね。 乳幼児期の喘息はいわゆる「喘息の気がある」と表現されることも多く、実は対応が少し悩ましいです。 まず、5歳未満のお子さんの喘息を乳幼児喘息といいます。喘息は気管支が狭くなってしまう病気ですが、小さい頃はそもそも気管支が狭く、肺もやわらかいため喘息の症状を起こしやすいです。そのため学童期以降の主にアレルギーが原因の小児喘息と区別されています。 特にRSウイルスやライノウイルスなど一部のウイルスは喘息を起こしやすく、しばらく尾を引いてしまうことがよくあります。これはアレルギー性の喘息とは別の病態で、治療は検討しますが年齢と共に良くなることが多いです。 逆にアレルギー性の喘息はしっかりと治療をしなければ再燃しやすく、いわゆる完治を目指すというよりアトピー性皮膚炎のように寛解(生活に支障が全くない状態)が主な目標です。 このような理由で、2歳頃のお子さんの喘息はしばしば診断に悩みます。そのため、モンテルカストなどの安全性が高い喘息治療薬をしばらく使って様子をみていくことが多いです。年齢と共に良くなっていくことに期待しつつ、治療を行います。 ここでご質問に対するお答えですが、 ① モンテルカスト長期服用の安全性について → モンテルカストは安全性が高く、数年の単位で使用してもほとんどの場合は問題ありません。ただ、当然薬ではありますので、一部の方に下痢や腹痛、じんましんなどが起こることがないわけではありません。また、ある程度高学年では悪夢などの原因になることがかなり稀にあるといわれています。 ② ひどい発作はないが咳が長引きやすい、寝ているときや朝の咳は喘息が原因か → 喘息の症状の一つとして、気道過敏性(空気の通り道が敏感)があるため、普段は咳にならない程度の刺激で咳が出てしまうことはよくあります。そのため、喘息が原因という可能性はそれなりに高いでしょう。また、喘息に合併しやすいダニ・ハウスダストに対するアレルギー反応という可能性も否定はできません。 治療は咳などによって生活に支障がない状況が3か月以上保てていれば、徐々に減量・中止をしていきますので、症状があればしばらく内服するのも一つの選択肢になります。 ③ 喘息の完治について → 先ほど説明したように、喘息にもいくつかタイプがあるため、年齢と共に完治してしまうものもあれば、アトピー性皮膚炎のように良くなっても体調や環境の変化などで再燃を繰り返してしまう方もいます。ただ、最近ではアレルギー性の喘息の主な悪化要因であるダニアレルギーを治す治療が5歳頃から可能になりますので、以前よりは完治を目指しやすくなっています。 乳幼児期の喘息は小児科医の中でも案外分かりにくく、治療について悩むことがあります。今回の説明も長文になり、分かりにくくなってしまったかと思いますので、悩ましい場合にはぜひかかりつけの先生と相談していただければと思います。 お大事になさってください。

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2022年10月08日 11時28分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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