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指名:相川晴(HAL) 先生

海外における乳幼児コロナワクチン接種について

10歳未満男性

4歳の子どもがおり、コロナワクチン接種を予定しておりますが、欧州をはじめ、多くの国では6ヶ月〜4歳のコロナワクチンは承認されていない、推奨している日本はおかしい、という言説を目にしました。厚労省の資料(https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/uploads/0156_221025_1.pdf)も確認しましたが、国の数で言えば確かに多くないのだなと思ったところです。 ワクチンが承認されていないのは、ワクチンそのものの危険性に起因する要因だけではないと推測しておりますが(承認にかかるスピードや、感染対策の考え方など)、具体的にどういう要因で差が生じているのでしょうか。 具体の医療相談ではないため、ツイキュアの趣旨と異なっておりましたら申し訳ありません。もし可能でしたら、教えていただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

ご質問ありがとうございます。 これに関して、私自身があまり裏事情のようなものは存じ上げないことを先にお伝えしておきます。ですので、報道等をベースにした私個人の感想、という形の回答になります、申し訳ありません。 おっしゃる通りで、乳幼児のワクチンを承認している国はまだ少ないです。ただ、これは安全性というより、日本もやっと最近承認されて一部で接種スタートしている、という感じで、他の国も「まだ」という部分もあるようです。 調べていると、どうも10月にヨーロッパは承認が降りたようですが国によって対応は変わってくる様子です。 ドイツビオンテックの記事 https://investors.biontech.de/news-releases/news-release-details/pfizer-and-biontech-receive-positive-chmp-opinion-comirnatyr-0 EMA(欧州医薬品庁) https://www.ema.europa.eu/en/news/ema-recommends-approval-comirnaty-spikevax-covid-19-vaccines-children-6-months-age ドイツのSTIKO(ドイツのワクチン常設委員会)は基礎疾患がある乳幼児に推奨(健康な子でも受けられないわけではない)で、11月に入ってやっと接種がスタートしているようです。 https://www.reuters.com/world/europe/german-vaccine-panel-recommends-covid-shot-only-sick-small-children-2022-11-17/ 例えばイギリスのこちらの記事によると「5歳未満の子はもうほとんどがすでに1回感染しているし、今回の波(2022年1月時点)で2回感染するだろう」と解説しています。 https://www.huffingtonpost.co.uk/amp/entry/will-children-under-five-get-covid-vaccine-uk_uk_62bd61e1e4b0f612572310cf/ (すみません、他の論文でも似た解説を見たのですが今見つからず。見つかったら追記します) ただ、これはオミクロン流行以前の話になるので、今は違う議論が起きているかもしれません。 結局ワクチンに関してメリットデメリットの話になるわけですが、その国が、そのウイルスをどれくらい脅威に思い、そこにリソースを割けるか、という点で、国によって対応は大きく変わってくると思います。たとえ医学的にメリットが大きくても、それ以外の事情でデメリットが大きいということになれば、当然接種には慎重になります。費用対効果、というとわかりやすいでしょうか。極端にいうと、100%効くワクチンがあっても、その感染症が今後流行しないという確証があれば、接種する意味はないですよね。 オミクロン流行以前は、実際に日本小児科学会もワクチン接種に微妙に及び腰でしたし(意義がある、とは言っていたけれど、推奨するとまでは言わなかった)、これまでの経過から考えて、ワクチンをうつメリットが大きく上回ることがわからないと承認しようがないと思います。 日本は前回の波が世界的に見ても大変大きく、結果として乳幼児含む若者が感染の中心になりました。結果、重症者や死亡者も出ました。そうすると、やはりワクチンをうつメリットが大きいと考えられますし、次の波に備えて承認・推奨の流れになるのは当然と思います。 一方で、オミクロンでそこまで痛手を受けず、子供の感染も少なかった、症状も大したことなく、重症者も死亡者も少なかったという国では、うーん、やっぱり乳幼児のワクチンよりも他のところにリソースを割きたいな、となるのも当然です。 例えば、乳幼児期には大変重要なワクチンがたくさんありますが、こちらの接種すら十分でない国では、新型コロナワクチンをあえて承認して接種を推奨するより、既存のワクチン接種を粛々と進める方がメリットが大きい、ということになるでしょう。 ワクチン自体の安全性を大きく懸念して……という国は、私は存じ上げません(もちろん、ワクチン自体の効果と安全性に問題があるものは別ですが) 実際に、欧州医薬品庁もベネフィットがリスクを上回る、と結論づけています。 最終的にその国でワクチンを使用するかどうかの判断は、医学的な知見に加えて、国のリソース、それから国民感情(ワクチンを誰も求めてないなら、接種する人もいないわけで、良い薬であったとしても承認するメリットはないでしょう)などを含めたその国の事情、で決まってくることになるのではないかと思います。 ですので、また今後の流行具合や他国の動きを見て、ワクチン接種に関しては状況が変わっていくと思います。 前回の波と同じことが起こりますと、日本ではまた小児科が限界を迎えることは必須です。ワクチンが間に合うか、実際にどのようになるかはわかりませんが、5-11歳のワクチンも含め、もうちょっと接種率があがらないと、ウィズコロナは難しいのかなあと感じております。 感想という回答で申し訳ありません。 なにかの参考になれば幸いです。

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2022年11月22日 16時35分


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