相談詳細

指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

中等度異形成からのHPVワクチン

40代女性

はじめまして。 先生のYouTubeでHPVワクチンのお話しを聞いて疑問に思った事を質問させてください。 お話しの中で、ワクチン未接種だった場合、 『今後パートナーが変わる可能性があるようなら接種を勧める』 といったお話しがあったかと思います。 実は子供を出産後に中等度異形成が見つかりました。 幸いにも1年間の経過観察で自然治癒致しました。 今後、パートナーが変わる予定はありませんが、今の夫との性行為で感染したと考えれば、今後も感染の可能性があるのではないか、とYouTubeを観て思いました。 ワクチンは高額ですが、今後の感染リスクが高いならば打つべきか悩んでいます。(またあの不安な日々が来るのは悲しいです。。) お聞きしたいのは、 今の夫との性行為で感染した可能性が高いのでしょうか? また、彼が保菌者?の可能性高く、今後の感染リスクは高いと考えて良いのでしょうか? ワクチンを打つ事も考えています。 教えてください。 ただ、年齢は今年42歳です。。。

回答済み

産婦人科

ご質問ありがとうございます。 現在42歳でご結婚されており、パートナーが変わる予定がないけれども中等度異形成があり、今後HPVワクチンを接種すべきかというご相談ですね。 まずご質問にあった、今の旦那様からHPVが感染したか、という事に関しては、全く分かりません。もし人生で旦那様としか性的な接触をしていないのであれば、旦那様から感染したと考えられますが、そうでないのであれば、いつどこで感染したかを特定する事はできません。コンドームをしても感染する可能性もあり、感染したからといってすぐに症状がでるものではないため、感染時期の特定はできないのです。 現在、中等度異形成も治癒され検診だけになっており、今後パートナーも変わりない(パートナーもご質問者様と以外性的接触を持たない)のであれば、積極的なワクチン接種はせず、検診のみでもいいかと思います。 たしかに旦那様から今回の中等度異形成の原因となったハイリスクHPVの感染をしていた場合、現在も旦那様はHPVの感染が持続している可能性はあります。しかし、中等度異形成治癒後、質問者様のHPVが消退した後(HPVが消退したかの検査はわざわざしない事が多いですしする必要もないと思います)にも性行為があるようであれば、コンドームをしていたとしても、すでに感染していると考えられます。 45歳以下ですので、接種するメリットは多少ありますが(45歳以下で効果があるというデータはあります)、定期的な検診も今後されるのであれば、高額なワクチンを接種する事のメリットは、積極的に推奨されている26歳以下の方と比べると、小さくなってしまうかと思います。 ご存じのように、HPVワクチンは、全く新しいHPVの感染を予防してくれますが、夫婦がお互い持っているすでに感染しているHPVを排除する効果はありません。例えば、完全にご質問者が異形成治療後にHPVが陰性化し、旦那様や他のパートナーと一切性的接触を持たないでワクチンを接種し、接種を終える半年間も性的接触をしなければ、旦那様のHPV感染を防ぐということはできるかもしれませんが、あまり現実的ではないように思います。 それでもお財布的に余裕があるようであれば、心配をよりなくすという意味では安心材料として接種をするメリットは多少なりともあると思います。 ちなみに45歳を超えていても患者さんの強い希望でワクチンを接種することは実際にあります。その場合、あくまでも安心材料という意味合いになるかなとは思います。 煩雑で分かりづらく、また個人個人でライフスタイルも変わるため、こうした方がいいという明確なお答えが出ずに申し訳ありません。 一つのご参考になれば幸いです。 また何かご不安な事がありましたらいつでもご相談くださいね。

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2023年02月06日 15時06分


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