相談詳細
2歳8ヶ月、コロナワクチン接種すべきか
10歳未満男性
回答済み
こんばんは。 ご相談いただき、ありがとうございます。 お父さんが反対し、お子さん自身も注射が極端に苦手という状況で2歳のお子さんへの新型コロナワクチン接種を勧めるかというご相談ですね。 ご相談内容から、ご家族の中での今までの葛藤やお悩みがよくわかります。少しでも感染・重症化のリスクを下げたいお母さんのお気持ちも、自分自身が副反応で辛い思いをしたことでお子さんに同じような負担はかけたくないお父さんのお気持ちも、正直非常によくわかります。お二人ともお子さんのことを真剣に考えられているからこそ、ある意味で対立してしまう状況なのかと思うと、コロナとコロナに関する一連の騒動を本当に憎らしく感じます。 まず、私自身のスタンスは、やはり日本小児科学会や厚生労働省などが推奨しているように、5歳未満のお子さんも基礎疾患に関わらず、基本的に全員に接種を勧めています(日本小児科学会 https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=466、厚労省 https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/infant/)。 推奨する理由は、ご相談内容に記載されていることと同じように、数としては少ないものの一部重症化や命に関わる方がおり、後遺症やMIS-Cなどのリスクもあるため、少しでもリスクを下げたいためです。 また、重症化とは言えないまでも、なかなか止まらないけいれんやけいれんを繰り返すリスクや、高熱で食事や水分があまり取れず、入院が必要になるリスクはそれほど小さくありません。第8波中にあまり話題に上がりませんでしたが、普段なら入院するレベルでも、病床などの問題で入院できず、ご家族はもちろん医療者にとっても心配だったお子さんも少なくありません。 こういったリスクは、少しでも下げたいというのが正直な気持ちです。 ただ、私も推奨はしているものの、実際に接種されるかどうか悩むという気持ちはよくわかります。それは、自分自身も含めて若年成人の副反応が正直かなり辛かったこと、5歳未満は3回接種が必要とされていること、現在の報告が効果はあるといっても今までの成人への効果として報告されていたものより少し弱そうに感じることなどがあるかと思います。 どれもある程度事実ベースだとは思いますが、もう少し正確に情報を理解しておく必要もあります。例えば、小児の副反応は若年成人と比べてかなり軽いことが多いです。mRNA量が少ない影響だと考えられますが、実際に接種している側としても、副反応で困ったお子さんはほとんどみません。効果が少し弱めだとしても、重症化を防ぐ効果は十分報告されており、副反応は少なめで安全性が高ければ、私は逆に許容しやすいように考えています。 お子さんの注射を拒否する気持ちが極端に強い場合は、接種を断念される方も少なからずおられると思います。本人がもう少し状況を許容できるようになるまで、少し様子を見るというのも一つの手ではあります。 しかし、幸いコロナワクチンはインフルエンザワクチンなどと比べて、それほど痛みが強い注射ではありません。国立成育医療研究センターのお子さんが注射をうけることになったとき(https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/cls/cls_chusha.html)などの資料をご参考いただき、行けそうであればひとまず1回目に行ってみて、そのときの状況で2-3回目をどうするか改めて考えていただくというのも一つの手だとは思います。確かに3回接種で十分な効果が期待できますが、1-2回でも0回よりは抗体がつきます(十分な量とは言えませんが…)。 現在の状況としては、お父さん自身は4回接種されているということですので、お子さんを守るための最も大切なこと(周囲の大人がまずはしっかり予防する)は十分できている状況だとは思います。 実際に強い対立がある状況で強行することは、お母さんの負担が強くなってしまう可能性が考えられます。幸い第8波は落ち着いてきて、ワクチン接種が可能な期間も延長されることになりました。 私自身は接種を勧めつつも、ご両親の間で公的なデータや、実際にかかりつけの先生などで接種を担当している医師と相談してみていただくなどでもう少し時間をかけて相談していただくのも良いのではないかなと思います。 上記となります。かなりの長文になり申し訳ありません。 大変悩ましいことかと思いますが、こういった場でご相談いただけることはとてもありがたいです。ご負担を抱えすぎないようにお過ごしいただければと思います。
無事接種できました。
夫も納得し、息子も暴れず泣かずで上手にできました。
ありがとうございました。
ご丁寧な回答をありがとうございました。相談する人がおらず、疲れておりましたが、心が救われたような気がします。
今日夫が、やっぱり打たない方がいいと思うと言ってきたので、よく話し合いたいと思います。
2023年02月10日 00時39分