相談詳細
指名:こどアレ@小児科医|アレルギー専門医 先生
生後2ヶ月、キンダベードの使用について
10歳未満男性
ご指名でのご相談ありがとうございます。生後2ヶ月半のお子さん、ステロイド外用薬の減らし方・目の周りのステロイド外用薬について、「生後すぐから湿疹、生後2ヶ月までは1ヶ月健診時に指示された通りワセリンでの保湿と清潔にすることで対応、生後2ヶ月から自宅にあったキンダベートを塗って改善傾向(上の子のことで病院により指示が異なり受診を躊躇)、ステロイドを目の周りに塗ると緑内障になる可能性があると聞き心配、目の周りに多量に塗布してはいない、大丈夫か?目の周りはどうしたら良い?上の子は湿疹が出たらステロイド外用→良くなったら中止→また湿疹が出たら外用という方法だったがそれで良いか?」というご質問でした。
まずステロイド外用薬の塗り方からですが、「お子さんの湿疹の状態」「治りやすさ」「ぶり返しやすさ」などにより、ステロイド外用薬のランクや塗る期間、減らし方などは異なりますので、仮に同じ先生にかかられても、その時々で塗り方の指導が異なる可能性はありますし、もちろん医師間の考え方あるいは知識の差もありますので、上のお子さんのことについては何とも言えません。ただ、最近では「標準的な塗り方」については、様々な公的な機関や専門医などから発信もあり、混乱は少しずつ減ってきていそうかとも思っております。
これまでに聞かれたことがあるかも知れませんが、ステロイド外用薬の塗り方には「リアクティブ療法」と「プロアクティブ療法」というものがあります。「リアクティブ療法」とはステロイド外用薬を塗り改善したら中止、その後また悪化したら塗るという塗り方となります。軽症の湿疹あるいは軽症のアトピー性皮膚炎のお子さんであれば、この方法で管理が可能です。赤ちゃんや小さいお子さんであれば「リアクティブ療法」で大丈夫なことも少なくありません。ただ、塗布を中止するとすぐに悪化する場合、同じ場所の湿疹が繰り返し悪化することが多い場合は「プロアクティブ療法」の方が良いと考えられます。「プロアクティブ療法」は湿疹が治ったように見えても実はまだ皮膚の下の炎症が残っていてぶり返しがちな状態だと考えて、治ったように見えてから中止はせずに塗布する回数を減らしたり、1日おき→2日おき→3日おきなどとゆっくり少しずつ減らしていく塗り方となります。「プロアクティブ療法」の参考として、様々なHPがありますが、今回は公的として良いかと思われる「日本アレルギー友の会」と「九州大学皮膚科 古江先生」で作成されてる「アトピー性皮膚炎についていっしょに考えましょう」をご参考として紹介させて頂きます。
また、目の周りへのステロイド外用薬の塗布についてですが、これは非常に難しい質問です。これこそ、「塗り方」「お子さんの目のこすり方」「ステロイド外用薬の強さや塗る期間」「ステロイドへの反応しやすさ」などいろいろな要素があり回答が困難です。具体的には、目の周りといえど目から少し離れた場所まで塗るのか、眼瞼・目尻ぎりぎりまで塗るのか、かゆくてごしごしこするのか、お子さんがステロイドで眼圧が上がりやすいタイプか、などが関係するかと思われます。ただ、湿疹を治さずにかゆくてこすりすぎるのも目自体には良くないですし、実際には目をこすっても目をつぶっていることが多く目に入ることは少ないようですし、目の周囲でもステロイド外用薬を通常の塗り方で塗ればそれほど眼圧を上げることは無いようですし(ほむほむ先生の書かれた記事「顔(眼瞼)へのステロイド外用薬は、眼圧をあげるのか?」参照)、ぜひきちんと治療される方が良いかとは思いますが、目の周りに強いステロイド外用薬を塗る・長期間塗る・目のぎりぎりまで塗るとリスクは上がりますし、特にお子さんは成人より外用薬にしろ点眼にしろステロイドに反応して眼圧が上がりやすいタイプのお子さんが多いのは事実ですので、適切な塗り方は重要かと思われます。お子さんの目に関してはおそらく大丈夫そうかとは思いますが、ご心配であれば眼科の先生に相談されると良いかと思います。すいません、これ以上具体的には回答出来ませんので、信頼出来るお近くの先生の指示にお従いください。
実際に診ていただいていないのに、詳しく回答いただき、ありがとうございます。大変参考になりました。本日皮膚科を受診し、薬をいただいてきました。
2023年03月09日 11時59分