相談詳細
指名:相川晴(HAL) 先生
0歳児のツナ缶の摂取頻度について
10歳未満男性
ご質問ありがとうございます。
本も読んでくださってありがとうございます!
さて、ツナ缶を使用して離乳食を進めているけれど、水銀に注意した方がいいのか、量や頻度はどうしたらいいのか、というご質問ですね。
胎児期は水銀(問題になるのはメチル水銀です)への感受性が高いため、妊娠中に大きい魚は食べる量を調節するように……という話をご存知かもしれません。
もちろんメチル水銀は摂取する利点はない(多分)ので、避けるに越したことはないのですが、メチル水銀を含む「魚」を摂取するメリット、というのも忘れてはいけません。なので、一番感受性が高い時期である胎児期(の赤ちゃんをお腹に宿しているお母さん)であっても、摂取を禁止するのではなく、あくまでも量を減らす・調節するように厚労省も指導しています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf
で、乳幼児に関しては胎児と比較して感受性は高くないと考えられています(あまり研究が少ないというのもありますが、現在のところはそう考えられています)
少なくとも小児に関しては"成人と同様の水銀の排泄機能を有しており、脳への作用も成人と類似していること、「セイシェル小児発達研究」において、子供の神経系の発達にメチル水銀に関連する有害影響が証明されなかったこと等が示されています。"と厚労省のQ&Aにも書かれています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/051102-1.html#04
また、この時期にお魚を食べることはとても大切ですので、そのメリットと相殺されると考えますと、特に制限は必要ないと考えられます。
でもツナ缶に実際にどのくらいメチル水銀が含まれているのか、というのは気になるかと思います。
こちらの調査では、ツナ缶に含まれるメチル水銀は平均0.109μg/gです(23検体で調査されているので、いろいろな種類のツナ缶を調べた平均値と思ってください)。本マグロは平均0.504μg/gなので、随分少ないですね。
離乳食でよく使われるマダイが0.133μg/gですので、それより少ないレベルということになります。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/050812-1-05.pdf
以上から、まとめますと
・乳幼児期に関しては水銀への感受性は胎児期のように高くない
・魚を食べるメリットとメチル水銀を摂取するデメリットを考えても、水銀量のために魚の摂取を減らす必要はない
・そもそもツナ缶のメチル水銀の濃度は低い
ということになります。
ただ、毎日同じ食材を大量を食べ続けると、食事のバリエーションも楽しめませんし、栄養的にも偏りが生じます。ですので、毎日3食ツナ缶、というのは避けた方がいいと思います。
ですので、現在召し上がっているくらいの量で、適度な間隔で食べれば問題ないと思います(はっきりした回数や量をお示しできなくてごめんなさい、適度、で十分ですよ)
ツナ缶、保存もききますし、私もよく次女の補完食(離乳食)に活用した食材になります。上手に使ってみてくださいね。
長くなりましたが、参考になれば幸いです。
参考
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/050812-1-05.pdf
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/chemical/MeHg/MeHg_4.pdf
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/051102-1.html#04
2023年03月09日 11時18分
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